これは公開当時劇場で見ている
弟が覚えていて
「ガキの頃、アニキに連れて行ってもらった初めての寅さんだった」そうだ
でも
実際はドリフかコント55号の併映目当てだろうと思って調べてみたら
併映は<港町紳士録>
まったく記憶にない、、、
桃井かおり、布施明、木暮美千代、松村達夫(二代目おいちゃん/今回は布施明の仲人役)、そして上条恒彦(2、3度目?チョイ役)、湯原昌幸、、、
そういえば
大活躍だった覚えがあるが
おふたりともすっかり見かけなくなってから
かれこれ何十年経つだろうか、、、
桃井かおりの当時の定番演技
舌ったらずでねっとりした独特の喋りは
70年代の時代の変化の象徴のように感じる
学生運動が落ち着いて、シラケた時代
女性はかつてのおしとやかなものではなく
大和なでしこは死語となり
男と同じように振舞うようになった
タバコをふかし、酒をあおり、男のような言葉を使う
その象徴が桃井かおりのような気がする、、、





北海道で道すがら出会った寅さんに
例のあの喋り方全開で「(桃井の車に)乗ってかない?」と、桃井が声をかけると
寅さんは一瞬表情を変え桃井に説教をする「女が男に声をかけ、車に誘うなんて」と、
すると桃井は「おじさん、かわってるね」と言って去っていく
その後、桃井は湯原昌幸の車に
軽い気持ちで乗って襲われそうになる
そこに偶然寅さん登場し桃井の窮地を救い
湯原に言い放つ「女口説くんだったら、もっとうまくやったらどうだい」と、
そして、その後、
寅さんは桃井と旅館に一泊することになるのだが
そこらへんの一連が
なんとなく<幸福の黄色いハンカチ>を思い起こさせる



桃井かおりは田園調布に住むお嬢さんなのだが
寅さんは「田園調布?、、、あ、おとっちゃん、百姓なの?」と、
高級住宅地の田園調布を農村地帯と勘違いしている
また
とらやの面々も
「あいつに田園調布の知り合いがいるわけないんだけど」と不思議がり
田園調布から来た桃井の母親役の木暮実千代が「トラさま」と口にする


布施明も70年代の顔の一人だよね
70年代のモテ男
なにしろ人気がまだまだあった頃のオリビアハッセーと
会話も成り立たないのに結婚したのは衝撃的だった
桃井かおりから布施に「キスして」というセリフも
いかにも桃井であり布施であり、時代が変わった象徴だ、、、




食卓の撮り方って
いまだにみんな苦労しているんだろうけど
山田洋次はさすがに手慣れているね
引こうとするからダメなんだね
入っちゃう
食卓の中央にキャメラが入るように
かなり踏み込んで演者に寄る




いろいろと印象的なシーンもあるにも関わらず
40数年ぶりに観たこの映画の1カットすら記憶に残っていなかった、、、