「木下が好きだ」と言いながら、今頃やっと観た<破れ太鼓>
村瀬、東山、沢村、森、滝沢、宇野、小沢といった新劇の演技派揃いの中にあって、無声映画からの映画スターで新派の阪妻を中心に配す確信犯的キャスティングが狙いとおりだ、、、旧態依然のオーバーアクティングが主人公の立場を浮かせて際立つ、、、
一方、画の構図の完成度も高い
「ロングは木下から学べ!」と言われることに納得、、、
この映画は「階段」がシンボリック、、、主人公の社長の豪邸の階段は「権威」の象徴、また、演者の昇り/降りも心情を表し、一方の長女の恋人の家の階段は「らせん階段」個性的で風変わりだが自由を象徴する、そして、その恋人が火の見ヤグラに昇るのは「梯子」危なげだが天に向かっている未来志向だ、そこで第三者の演者の台詞「男が先にゆくものだよ」男が率先して女性を引っ張っていくように、、、
「階段」での対比
今も保存されている田園調布の駅舎