西部劇マニアの間ではとても評判の作品と噂に聞きながら
見逃していた<レッドムーン>をやっと観た、、、
「ストーカー」「ストーキング」という言葉が
日本で一般的に知られるようになってから
まだ20~30年ほどしか経っていないと思うので、
この映画の頃に、原題を使わない判断は適切だったと思う、、、
それに代わって「レッド」という言葉を当てたのは
レッドスキンとも呼ばれる「インディアン」を象徴してのことだろうが
単なる「赤い月」と解釈すると
まったく映画のイメージは沸かない、、、
昔、インディアンに襲われ惨殺された白人一家の、生き残った娘は大人になるまでインディアンの一員となり、その凶暴なインディアンとの間に子を産まされていたが、運よく騎兵隊に救われた、、、白人の女はその息子と共に何処か遠くに逃げようと必死であったが行くあてはなく、結局主人公(グレゴリーペック)が自分の住処に連れて行くこととなる、、、、道中、そして住処に着いてからも、女と子を追って得体の知れない凶暴で邪悪な存在が近づいてくる、、、
追ってくる恐怖が
<ノーカントリー>のハビエルバルデムのような不気味な存在で
後半まで姿を現さないのが尚更に不気味で
次つぎと人を襲っては惨殺していくこと
そして小さな町さえも全滅させるほど凶暴であること
どこまでも諦めず追ってくること
そういう情報が作中随時観客に入ってくるので
観客はそのまだ見知らぬ存在に恐怖を感じる
そんな演出を巧いこと施している、、、
一家を失い
時を失った白人女性が
暗闇を抜け出し
やっと一筋の明かりを手に入れ再生しようとする
それをタイトルの「月」が象徴している
そんな女性の「月」の物語なのだ、、、
アランJパクラのプロデュースで
<アラバマ物語><おもいでの夏>のロバートマリガン監督の
「西部劇ベスト100」みたいな催しでは必ず名前が挙がりながら
日本では一部の西部劇狂の中でしか評価されない
日本では埋もれがちな傑作、、、