この劇場は初めてだ
<エルメス>の映画館
10年ぶりの小規模上映
サタジットレイ<音楽サロン>
なかなか観ることが出来ないので、有難い、、、
こんな傑作/名作を
何故にメディア化/ソフト化しないのだろうか?
サタジットレイの代表作オプー三部作に勝れども劣らない素晴らしい作品
三部作の<大河のうた>と<大樹のうた>間に制作したのは何故なのか?
三部作がなかなか貧困から抜け出せない家族と
主人公オプーの人生を描いたのに対して
<音楽サロン>では
何代にもわたる家柄で巨大な豪邸に暮らす
大富豪が時代に対応できず衰退していく没落貴族の姿を描いた
オプー三部作と音楽サロンは
両極端な立場から互いに同じ方向に向かっているわけだ
音楽サロンを持つほどの豪邸内に大勢の客を呼び
贅沢の限りをつくし音楽会を催し散財する主人公
徐々に一家を苦しめるほど金を使い果たす
妻の宝石まで売り飛ばし
それで音楽会を催す
それを続けなければ
代々続いた一族の名誉を傷つけるとばかりに
威厳を保つために散財を続ける
「見栄」を超えて「狂気」にさえ見える
もう底を尽きかねた状況でも音楽会を開き
そのうえ一時的に実家に帰っていた妻と子を
音楽会のためにわざわざ帰宅させようとするが、
その道中で妻と子を乗せた船は嵐に呑まれる
金どころか家族さえも失ってしまった男
それでも、それでも男は最後の金を失うまで
音楽サロンで音楽会を開こうとする、、、
ファーストシーンでシャンデリアが揺れている
観ている方が不安になるほどの揺れるシャンデリアは
音楽サロンの中央で天井から吊るされた立派なシャンデリアだ
ラスト
最後の音楽会が終わり
シャンデリアの灯が消えていく
真の終焉を知らせるかのように、、、
シェイクスピアだね
オーソンウェルズみたい
シュトロハイムのようでもある
傑作です、、、
アジアの巨匠サタジットレイ
エルメスビル前
この10階が小規模ながら上映館となっている
オシャレなだけでなく
文化的な価値を理解している素晴らしいラインナップだ、、、