たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/不滅の物語

もともとは

オーソンウェルズがテレビ用に制作した作品

 

日本では

2015年東京国際映画祭で上映されただけの

埋もれつづけた傑作、、、

 

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はじまって15分ほど

とくにオーソンウェルズらしい

新しい、斬新な構図やキャメラワークはない

 

でも

そんなで終わるはずもなく

徐々にぐいぐいと物語に引き寄せられていく、、、

 

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物語は単純

友人も信頼できるパートナーも持たずに、しかし巨万の富を築いたマカオに暮らす富豪が、船乗りたちの間で語られ続けている小話を、現実に再現し、実話として後世に残そうとする話し、、、召使により男と女が買われ、見ず知らずの男女が一夜を共にする、、、と、富豪は翌朝、作り話が現実になったことに満足したと言葉を残して息を引き取る、、、

 

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原題も「Immortal Story」なんだから

不滅についてのオーソンウェルズが描いたもので間違いないのに

いろいろなレビューを読んでみたが

誰一人と「不滅」について触れて語っている人がいないねぇ

 

金は生きている時にしか使えない

あの世までは持っていけないからね

不滅でも永久でもないよね

 

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とくに名声も残せず

金だけを残した者には

永遠に語られることはないわけだからね

 

それでも

主人公が小話を具現化したことで

物語は不滅になったと彼は満足なのだ

 

買われた男女は

翌朝手をつなぎ屋敷を後にする

主人公の満足感に嫌悪し

このことは永遠に語ることはないと吐き捨てる男、、、

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ジャンヌモローが

当然の如く良いのだよね 

もう存在感が違うからね

 

そこにオーソンウエルズだから

他に役者はいらないほどだ

 

たしかに町ゆく人さえまばらで

登場人物は4人にしぼられた演劇のようでもある

 

 

 主従関係にある二人と買われた男女二人

金に結ばれた関係が確かなものでなく

不滅と思われることがまったくそうではないこと

 

オーソンウエルズの作品群の中でも

語られることの少ない一本ではあるが

さらりと描きながらも

やはりウエルズ、さすがな一本、、、

 

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左右を隔てる中央の柱2カット

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オーソンウエルズ印

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最初のうちは部屋を覗いていた

部屋の外から部屋の様子うかがう富豪

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f:id:toughy:20190925160809j:plain朝のおとずれ、、、