今の若い人たちは
あまりないことかもしれないが、
高度成長期に生きた企業戦士たち
もしくは勤め人でなくとも男なら
家族を顧みず
仕事優先で生きてきた
もしくは仕事を理由に
好き勝手にやってきた
そんな負い目は
誰にでもあるかもしれない
この主人公の爺さんも家族の記念日を忘れ、仕事を理由に生きてきた男。今では妻と離婚し家族とは疎遠になり、家も仕事も失い天涯孤独な爺さん。麻薬を運ぶことにより巨額の報酬を得たことから運は巡ってくるが、断れば殺される局面で男は死に直面した妻のもとに駆け付ける、はたして爺さんは組織に消されてしまうのか、、、
この物語は
家族を顧みずに自分の好きなように生きてきたイーストウッドの
自身の人生の反省と家族への謝罪の意味が込められているようだ
死ぬ直前には妻に許してもらいたい
自分の過ちは服役で償いたい
(まるで、ボクのよう、、、)
スターであるが故に
巨匠と呼ばれるが故に
毎日毎日を全力で咲き誇ってきた人生は
まさにこの映画の象徴的なデイリリーのようだ
(デイリリーは手間をかけて育て、一日だけ咲く花)
「何でも買えるのに、時間だけは買えなかった」とセリフがあるように
90才を超えても
すでに次回作に取り組んでいるイーストウッドは
買うことの出来ない時間に貪りついているが如くでもある、、、
ビートたけしもこう言った
「死ねばいくらでも眠れるんだから、
生きているうちは寝るのを惜しんで好きなことをやるよ」
4☺