イチャンドン
たった6本の映画を製作しただけだが
紛れもなく現時点で韓国ナンバー1の監督と思う
(デビュー作<グリーンフィッシュ>は未見)
キムギドク、パクチャヌク、ポンジュノ、ナホンジンは観るが
この韓国最高の才能は
日本ではあまり観られていないのは残念だ、、、
<バーニング>以前に
すでにNHKと手を組み
この作品を完成させた
その才能は織り込み済みだったのだろう
今から20年前の1999年の韓国
スーツ姿の男が友人たちがキャンプで楽しむ河原のそばで
列車に身を投げるところから物語は始まる
3日前、5年前、さらに7年前、さらに3年前、そして19年前、20年前と
時間をさかのぼり
徐々に男の正体と
彼が歩んだ人生をみせていく
イチャンドの作品には
いつも独特の空気感が漂う
虚無感とも、悲痛とも違う別の哀しい空気のような
こういうのをカタルシスと呼んでも良いのかもしれない
この作品でも全編に漂う空気
けっして乾いていない
だからといって湿ってもいない
ならば爽やかなわけもなく
死に直面した一瞬に突然音を失うようなその瞬間とは
イチャンドンの世界の空気感ではないだろうか
この人はいつも「死」を意識してファインダーを覗いている、、、
韓流ドラマではない
もうひとつの韓国製、、、埋もれがちな傑作、、、