原題は<CARNAGE>
「大虐殺」もしくは「修羅場」の意味
その邦題が「大人の喧嘩」でなく<おとなのけんか>と
その平仮名で表記したセンスがいい
大人の喧嘩でありながら
平仮名でガキっぽさを表現したんだね、、、good job!
そもそもポランスキーが苦手
<水の中のナイフ>も<チャイナタウン>も良い映画かもしれないが
ボクは<反撥>しか評価しない、、、
そもそも残念な過去があったとしても
自ら招いた性的虐待など軽蔑に値する行為が多いのだ
監督以前に人として、、、
本来は
その監督の人格や行動を作品の評価に反映させてはいけないと
つくづく解ってはいるのだが
本能的にネガティブにポランスキー作品を評価してしまう癖がついてしまっている、、、
2度のオスカー受賞・ジョディフォスター、
やはりオスカー女優であるケイトウィンスレット、
こちらも2度の受賞のクリストフヴァルツ、
そして無冠ながら、そのうち獲るであろうPTA組のジョンCライリー
この名優4人だけの舞台劇のような
ワンシチュエーションの
ディスカッションもの
ちなみに
電話の声の出演で
先日亡くなった<大アマゾンの半魚人>女優ジュリーアダムスが出演している
米国が舞台なのだが
米国内「出禁」のポランスキーのため
フランス国内で撮影したそうだ
いずれにしても
どうせ室内1か所のみでの撮影だから
(厳密にはオープニングとラストは公園)
日本でもアフリカでも何処で撮影したって構わない
物語は
A君がB君をアイスホッケーのスティックのような棒で顔面を殴り付けたことから始まる。(そのシークエンスをタイトルクレジットの間に全て見せてしまうのが巧い!ツカミはOK!)B君は前歯を二本折るなどの怪我をしたので、A君の両親がB君宅を訪ねて謝罪に来たのだが、当初互いに大人の対応をしていた2組の夫婦は、洋ナシ&リンゴのパイを食べたあたりから修羅場になり、互いに感情をむき出しにし、思わぬ方向に向かっていく、、、
途中ね
スコッチウィスキーが登場して
みんなが呑み始める
シングルモルツでお世辞抜きで「本当に美味い」という
たしかに美味しそうだから
無性に身体があの琥珀色の液体を求め
思わず、こちらもチビリチビリ
ウイスキーを楽しみながら鑑賞に至る、、、
効果的なカット割りもなく
映画らしくする必要性もないから
映画の優位性も、独自性も感じられないが、
それでも
ポランスキーだから
本当は認めたくない心が働くけど、
観客の引っ張り方が巧いのだ
ぐいぐい引っ張って離さない
はたして
この4人のうち「貴女なら誰と似ているかな?」と、
ポランスキーから投げ掛けられているかのような
正直、なかなか良いね、この映画、、、
あなたは誰かな?