たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/フロリダプロジェクト

全編
非常にポップな色づかい
 
タイトルも「フロリダ」だけあり
爽快で明るい
 
だけど
そんな明るいイメージとは対照的に物語は、、、
<フロリダプロジェクト/真夏の魔法>
 
 
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画像でも判るとおり
非常に明るい色遣いをしている
 
場所もディズニーワールドのすぐ近く
夢と魔法の国の近所
 
でも
その夢の国の近所の住人は
おそらく夢の国に行ったこともない
 
まるで
移民を目指した難民たちが
夢の国の入国を拒否され
あてもなくその場に留まっているかのようだ
 
トランプの移民政策の裏返しと
ボクは裏読みした
 
夢の国から入国拒否された
プアホワイトたち
 
夢の国の一歩手前で
足止めされながらも
どうにか生きている彼らたち
 
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「ICHIBAN」なんて名前のモーテルもあるね
「キャッスル」とか
ディズニーのオフィシャルホテルでないけど
便乗商法的に沢山の宿泊施設が
夢の国の周辺に林立している
 
実際に
手配を間違えて来ちゃったハネムーン客がいて
「せっかくの新婚旅行の初夜にこんなところに泊まれるか!」と去っていく
 
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モーテルといいながら
ほとんどが旅行客ではなく
住みついた「住人」なのだ
 
気分だけでも
モーテルの名前だけでも
わくわく気分なのだが
人々はその日食べるのがやっとで
実情は閉塞感で息苦しい
 
近所のレストランで働いたりして
どうにか生活している住人たちの中には
宿賃ではなく
週払いの「家賃」を払えない人もいる
 
そういう住人は
すぐにでも追い出されるのだ
 
そうすると居場所を失うので
家賃だけは払おうと必死だ
 
主人公の女性も
そんな住人の一人
 
金がないのに
いつもタバコをふかし
体中に安っぽいタトゥーを入れ
髪の色は緑で
汚い言葉を吐き続ける
 
ぜったいに
関わりたくない部類の女だ
 
とうぜん
そんな女を見て育った娘も
同じようにヒドイ言葉使いで
周囲に面倒をかける問題児
 
主人公の女が
どんな人生を歩んで
どこからやって来たのか説明はないが
きっと誰もが想像する通りだろう
 
まるで
エイリアンのような女
 
そして
その娘が
その母と同じ道を歩むであろうことは
想像がたやすい
 
金に困ると
人を騙して金を作ろうとする
 
ときどき
金周りが良くなるのは
女が身体を売ったことを意味する、、、
 
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とうとう児童福祉局に目を付けられ
母娘は離れ離れにされようとする
 
終盤の
母親の「ファッ●ユー!」の叫び
娘の「涙」
 
ふたつのクローズアップのカットに
胸が震える
 
ここまで観ていて
終始胸糞悪い女にイライラさせられ
どんな事情であれ絶対に共感できない
同情にも値しない女だったのに
最後の最後には、なぜか落涙一歩手前、、、
 
どんな親でも、娘は娘
(虐待していなければね)
 
貧しいけど
この母親は娘を
決して傷つけたりはしないからね
 
自分を見真似て
ロクな大人には成長しないだろうけど
 
その母が
その娘を愛していることは伝わるんだよね
 
バカでクズで
どうしようもない女だけど
子供に対しては何も悪いことはしてないぞ
 
ラスト
娘は友達の女の子に手を引かれ、逃げる
 
色彩は鮮やかだけど
実は腐りきったエリアを抜け出し、夢の国へと、逃げ込む、、、
 
貧しいプアホワイトたちの
その子供たちの
最後はティンカーベルに導かれて
おとぎの国に消える、、、実は夢も魔法もないことを子供たちは知らず、、、
 
どうしようもない現代の、悲しい物語、、、
 
3.5☺
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夢見ることは平等、、、しかし、世の中では貧富の差があって、金持ちは夢の国の中のホテルに泊まれるけど、そうでない者はその手前で留まるって、いつも夢の国のそばで夢の国に憧れて、いつか夢の国に入りたいと願っている、、、胸くそ悪いんだけど、ずっと心に引っ掛かる不思議な映画でした、、、