たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/ドリーム

1970年代前半に米国内に初めて行ったとき
日本人が入れないプールがあったことに
日本人の中学生のボクは衝撃を受けた

それは日本人に限らず
黒人、アジア人など「非白人」が利用できない場所なのだ

その話を数年前に米国人の友人に話したら
彼は思い切り否定した
「そんなはずない!」「その時代はもうそんなことはなかった!」と、

ボクが目にしたことは事実なのに
なかったことにしようと強く否定した

やはり白人にしても触れられたくない
恥ずかしい過去なのかもしれない(現在進行形でもある)

また
米国内の学校に通っていたことのある日本人に訊けば
米国のテレビのスクールドラマのように
白人も黒人も黄色人種も普通に仲良くしているようなことはなく
実際の学校の中では肌の色によってグループが分れている現実があるそうだ

肌の色とは、肌の色の違いとは、そんなにも需要なことなのか、、、

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この映画<ドリーム>の時代は
JFKが米国のリーダーだった時代

まだまだ人種差別がひどく
トイレも「白人」専用と「非白人」とに分かれていた時代

理不尽な差別にあいながらも、優秀な黒人女性たちが宇宙開発の一端を担い、国に貢献し認められていく姿を描いた物語

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冒頭のシーンが良い
仲良し黒人3人組が通勤途中
乗っていた車がエンコし路肩に停車していると

すぐにパトカーがやってきて
いいがかりをつける

明らかに車両故障であるのに
不審者を扱うような態度で黒人女性たちに接する

ところが
3人がNASAの職員だと知ると態度を変え
NASAまで車を先導するのだ、、、

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そして
この映画で最も痛快なシーン

主人公の女性が
黒人の利用できるトイレが近くになく
わざわざ遠くのビルまで行かなくてはならないことを上司に訴えると

上司であるケビンコスナーがバールを手に
「非白人専用」と書かれた女子トイレのプレートを叩き壊す場面がサイコーだ

そして、ケビンコスナーは言うね

「白人も、黒人もない!ただのトイレだ!
 NASAでは小便の色は皆同じだ!」

ケビンコスナーが久しぶりに良い役を得た

日本でいえば<下町ロケット>テイストの
なかなかの佳作

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最後にタイトルについて

原題は<Hidden Figures>
直訳での意味は「隠された数字」もしくは「隠された人影」
この直訳は本編を観れば意味が解るが

観てない人、情報なく接する人には
チンプンカンなタイトルになる

そこで当初
<ドリーム 私たちのアポロ計画>と邦題が名付けられた

ところが
この物語はアポロ計画に関することではないんだよね
本当は「マーキューリー計画」なんだよね
ウソのタイトルを付けてはいけないね

そして
改名し<ドリーム>となったわけだが

なんか味気ないね
ひねりもないし
宇宙開発のドリームというより、

黒人差別の中でその地位を築いていく女性たち
語られなかった彼女の活躍
その意味を題名に込めてほしかったなぁ

宣伝部の力不足だね

3☺