ファニーハーストの原作「IMITATION OF LIFE」の映画化
あのダグラスサークの大傑作<悲しみは空の彼方に>はこのリメイク
というか、二度目の映画化といった方が正確だ
なぜなら
サークは<模倣の人生>を観てリメイクしたわけではなく
原作さえ読まず
そのプロットだけをかじり聞いて自ら構想したのが<悲しみは空の彼方に>なわけで、
コニーアイランドから始まる
あの素晴らしい白人女性と黒人女性の主人公二人の出逢いのシークエンスは
原作にも、その映画化<模倣の人生>にも登場しない
まったくのサークのオリジナルなのだ、、、
そんな素晴らしいサークの作品には及ばないまでも
たぶん原作に忠実に描いたであろう本作もなかなかの秀作で
日本では埋もれているのが不当であると思える、、、
また
この作品の監督ジョンMスタールも
日本ではまったくの無名だが
米国では当時おもにメロドラマで活躍した人気監督である、、、
そして
主役のクローデットコルベールも
日本人なら<或る夜の出来事>を彼女の代表作に挙げるが
この<模倣の人生>もコメディアンヌとは違う
もうひとつのコルベールの側面で代表的な作品とされている、、、
物語は
ふとしたことから出逢う白人女性と住み込みのメイドとして共同生活を始める黒人女性の「女の友情」を中心に、当時としては珍しい「女性の自立」「女性の社会進出と成功」を、それぞれの娘の「人種差別問題」「親子丼ぶり問題」と共に描く、、、黒人女性が「母親直伝の、墓場までレシピを持って行く」つもりだったパンケーキの作り方を白人女性に教えたことから、ふたりはビジネスで大成功をおさめ裕福になるが、それと引き換えのようにそれぞれの娘の問題で苦悩する、、、
すべての映画ファンが絶対に観なくてはいけない
観ておくべき埋もれがちな秀作だ、、、