<忍ぶ川>
初めて観た
社会派の熊井啓としては
得意分野ではないような気がするが
なかなかの良作だった
その年の
キネマ旬報の1位でもある
♪
人気女優であった
清純派の栗原小巻が
不自然にその裸体を隠すことなく
文字通り身体を張った濡れ場を演じた
当初は
栗原小巻のライバルともいえる
主役に想定していたそうだ
が
ステージママと熊井啓のいざこざにより
日本全国の男性ファン
彼女の裸体を拝むことが出来なくなった
♪
相手役は加藤剛
背の高い
ハンサムではあるが
色気がない
優等生
栗原小巻は
ほんとう美しく
TVドラマ<泣いてたまるか>の第12話
「子はかすがい」の彼女も
併せてみると
その美しさに見とれる
人情に厚い街、深川
運河と木材の街、木場
廓(くるわ)の街、洲崎
そして浅草
ボクは京都が大好きで
そこには
厳かだったり
立派な寺が沢山あるけど
浅草、浅草寺は
庶民の街
にぎやかな下町
そんな昭和の東京の風景
♪
ときどき
面白いセリフ
いいセリフが
サラっと栗原小巻の口から飛び出す
「どんな人だって何かある」
他人には言えない
家族、親せき、親類の隠しておきたいこと
出逢いから
結婚して
初夜を迎え
結ばれるまでの物語
♪
作中
栗原小巻が
何度も手を合わせるシーンがある
不幸の中で
いつも誰かに感謝したり
誰かのために祈ったり
そんな栗原が
6兄弟姉妹のうち
4人が自殺をした
そんな一家に嫁ぐ
光が灯ったように
この一家にも
明るい兆しがみえた瞬間だ
ところが
クライマックスの
初夜のシーンでは
おどろおどろしいBGMが支配する
P.S.
「それで、やったのかよー?」
「やるわけないでしょー!」
このセリフのやりとりが可笑しい
初夜までは
女性は貞操を守るのが
一般的だった時代の物語
♪
ちなみに
ロマンチックなイメージと思った
タイトルの<忍ぶ川>
登場する小料理屋の店名だ