たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/太陽の下で 真実の北朝鮮

ロシアの撮影クルーが北朝鮮に入ると
当局から与えられた台本に沿って撮影することを強要された

撮影は北朝鮮のスタッフが仕切り
ドキュメンタリーとは名ばかりに
登場人物は演出されたように演じ
台本のとおりセリフを口にする

ロシアのスタッフの入り込む余地はない
何のためにココに来たの?って感じだろう

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北朝鮮の実態は誰もが想像する通りだ
想像以上に街は綺麗で建物も立派で
建物の中はどこも清潔だ

登場する一家の居間は
まったく生活臭のしない不自然な空間

もちろん作られた撮影対象であり
都合の良い所しか撮影できない

作られたドキュメタリーである、というドキュメンタリーなのだ

映画公開後
北朝鮮はロシア政府に抗議し圧力をかけ
この映画はロシア国内では上映禁止となる

都合のいいように撮っておきながら
そのものを映しておきながら
都合が悪いとは理論崩壊している

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反日教育とは知っていても
執拗なまでの洗脳だ

「日本人と地主、悪い連中たち」

同じ質問を繰り返し
生徒も同じ答えを繰り返す

憎しめと促し
憎しみを植え付ける授業

ときに退屈になってくる子供がいる
ホッとする、人間の子供なのだと

チックのような症状をみせる子供がいる
子供にはストレスでしかないだろう

それでも答えるべきときにはスイッチが入り
独特の型通りの言い回しで答える
おしゃべり人形、、、

ラストの主人公の少女と
おそらく当局には内緒で撮られたシーンがクライマックス

「好きなことは?」

この質問に少女は何も答えられない

「今までで一番嬉しかったことは?」

こんな簡単な質問に答えが出ない

好きなことも、嬉しこともないので答えられないのか?
もちろん、どう答えるべきか?どう答えてはいけないか?の困惑
小さなことも北朝鮮の子供には
簡単ではない質問なのだ

少女は、答えに困って涙をこぼす

そして最後に
「好きな詩は?」と質問されると

少し考え
答えを思いつく

いつものスイッチが入り
いつもの型通りの金一族礼賛のフレーズを
いつもの口調で口にする
おしゃべり人形

おしゃべり人形でいることが
この社会では一番ラクなのだ
考えて自由に自分の考えを口にすることは苦痛なのだ

独裁主義、全体主義の怖さ
まるでホラー

思ったことが言えない社会は
どんな貧困よりも苦しい

食料や衣服や家がない国は多い
しかし
それよりも「自由」のないことの劣悪さ、、、