たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/旅情

SummerTime
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バブルの頃
「リゾラバ」という言葉があった

日本人の30代以上の独身女性が
リゾート地のバリに旅に出る

良く言えばアバチュールを楽しみに
悪い言い方では買春に

バブルの頃
日本には
そんな肉食系女子が沢山いたのだよ
そんな時代もあったのだね

戦後
米国は経済的に世界で独り勝ちの状態で
米兵は
戦争花嫁と呼ばれるイタリア女性を連れて米国に戻り
米国女性は
イタリア旅行へリゾラバしに行ったそうだ
そんな時代背景がこの映画

だから
劇中にこんな会話がある
「独り旅の女だからって、バカにしないでよ!誤解しないでよ!」

キャサリンヘップバンは
そんな目で見られている気がしたのだね


映画は
美しい美しい街並みと水路の風景

こないだTVを見ていたら
ヴェネツィアのことをやっていて
野菜畑の島、墓地の島などなど
土地の用途によって島の役割特徴があるのを知った
面白いね

そこで
ハイミスのキャサリンは恋に落ちるね
でも
燃え上がるほどでもない
男の方も同じ

お互い
恋することに酔ってるんだね

それも
恋の一種だけどね

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この奥行の深い画は綺麗だね

外を行き交う観光客らの手前で
内では
ふたりだけの世界が生れた瞬間だね
上手いね

デヴィットリーン
ただの大作専門の監督ではないね


こんなセリフもある
「フレンチはソースだけ、イタリアンこそ本物料理」
居合わせた同じような米国女性の言葉

意味深だね
ここは敢えて
思い切り深読みすべきだね


オールドミスが
初めてのデートの前に
ネイルとパーマをして
洋服を買いに出かける
そんなウキウキ感がイイね


とにかく
背景がキマっている
もちろん
ロケーションが良いのだけれど
それを活かした画の作りが巧い

水面に映る二人の姿が美しい
俯瞰から街を捉える画が素晴らしい

<ベニスへ死す>や
ウディアレンの映画にも登場した風景も映し出される
というか
いつものように
アレンがパクっているのだけど

そして
暗いシーンでは
カラーであるのに
影が上手に撮られていた

オールドミスによる
リゾラバ喜劇であり

ホロリとさせられる
恋愛劇でもあり

ベニスに行ってみたくなる
名作です