「傑作」というとどうかね?
ワイルダーは傑作だらけだから
それらと比較して同意しかねる人もいるだろうけど
「ワイルダーにしては、、、」とか、ね、言うんだろうね
でも
まぎれもなく
いつもどうりの
文句のつけようはない
なのに
ワイルダー作品の中では
埋もれてしまっているのは大変残念なことだね
ワイルダーの有名のどころのコメディを観て楽しめた人は
是非コレも観てほしいと思う、、、
タイトルは<お熱い夜をあなたに>は
いかにも日本のワイルダーファン映画ファン向けに付けられたものだね
原題は「AVANTI」
「Come In」とか「どうぞ~」みたいな感じらしい
ファーストシーンのファーストカットが
人を喰ってるね
キャメラの水平がとれず斜めっている
まるで素人がカメラを三脚に立てたものの
うまい具合にレベルがとれないみたいな
プロではあってはいけないこと
そいつをパンして
その先に空港
どうやら主人公はイタリアを目指して
米国から飛び立ったようだが
珍道中になる予感と不安を表しているのかな
カッチョイイ空撮
イタリアに到着する道中で
一人の女性と出会う主人公のジャックレモン
うまが合わないようで
ちょっとポッチャリした女性を雑に扱うが
当然女性も体型を気にしているので
この二人の先行きが不安になる
後半は彼女に肩入れして
なかなかうまくコトが進まなかったりすると
観ているこちらは彼女を可哀想に思い寂しく感じたりする ウルウル
ワイルダーだからね
途中に登場する様々なことはラストまでにしっかりと回収されて行くから、
イタリアワインでも飲みながら
イタリアの美しい風景で癒されつつ
安心して呑気にリラックスして楽しく観よう、、、
物語
大企業の社長の跡取りが、イタリアの田舎町で交通事故で急死した父親の亡骸を受け取りにくる、ところがその事故では見知らぬ同乗者がいた、実は毎年夏の一週間だけ二人で過ごす愛人同士だったのだ、その息子と娘のいざこざと恋の物語、、、
美しい画だね
外光だけでうまい具合にこうなるかね?
きっとココはセットで
外光に見せかけて照明当てて
ライティングの妙
素晴らしい仕事っぷり
さてさて
ラストは二人の
なかなかいい感じな大人の男女のお別れ
タラちゃんの
<ジャッキーブラウン>にも通じるように感じた
それにしても
この頃の
ワイルダーもレモンも
イイ感じに枯れてきたなぁと感じます、、、