

昔昔22年前に<うちゅうさん>という怪作というか問題作があった、ボクの生涯尊敬する十人の一人で、とても面白く想像力が豊かで行動力があってタフで頼りがいがあって人の気持ちを大切に考えられる人、でも頑固なゆえに敵も作りやすい人物、そんなクリエーターで作家の竹ノ内響介が私財を投げうって監督した22年前の自主制作映画が<うちゅうさん>だった、、、江戸時代の長屋に宇宙船が墜落し意識を失った宇宙人が長屋の連中たちに助け出されたことから始まるひと騒動、、、予算がないため長屋のセット1シチュエーションの中で描かれるコメディ、しかしなかなかちゃんとしたセットだ、それだけでもかなりお金もかかっただろう、それに衣装、結髪、メイク、多くの出演者、スタッフ、監督の人柄に惚れている多くの人たちが手弁当で参加してくれたようだ、、、しかしね、ふだん茶や酒をすすりながら監督が話す爆笑の連続のバカ話しに比べたら、映画の方はあまり面白くないのだ、コメディなのにそんなには笑えない、でも丁寧にしっかり撮れてはいる、それだけに何でコレ撮ったんだろうとも思えた、なかなか頑張って良く撮れているけどさほど面白くもないコメディ、ある意味不毛だった、、、
それから22年の時を経て、<うちゅうさん>の続編を撮ると監督は宣言した、、、またお金がかかるが、22年前と違い今ではクラウドファンディングがある、あっと言う間に目標の資金が数日で集まり映画は完成した、、、そして、寄付した人たちのために上映会が行われた、続編ではあるが前作<うちゅうさん>のシーンをふんだんに使って、追撮した宇宙部分のシーンを絡めて<うちゅうさん>の真相を明らかにしてゆく、、、なるほどね、多額の制作費をかけながら評判のいまひとつだった前作<うちゅうさん>を蘇らすと共に生まれ変わって作品は報われたのだ、、、一度やってしまったことはどんなにあがいてもやり直すことは出来ないが、監督はそれに挑戦したような気がする、そして優しさを感じる、人に対してだけでなく作品に対しての優しさ、いかにも監督らしい、、、本編とは別にそんな思いに感動したりしたのだが、、、タイトルは「シン・うちゅうさん」の方が良かった気がする、、、WWW
3.5点 本文のように、本編とは別の意味で感動しましたので、その感動分を加算しました。

