<みんなやってるか~>は「エロ」について、そしてこれは「映画」について語っている、自分自身がどんな映画を撮るべきかについての悩みを描いた一本、、、自分自身やヴェンダースについて触れ、しまいには小津に至っては小津風に撮っているつもりだけど同じようではない、何か違うと眺めているとまずは肝心のレンズのサイズが小津とは違う、小津はほとんどを50mmレンズで撮っているけどここではもう少しワイドなサイズで撮ってしまっているからアングルがローポジで小津風であっても画角が違うから同じではなくなってしまう、、、
小津映画、ギャング映画、恋愛もの、ホラー、時代劇、マトリック風、ターミネーター風いろいろみせておいて、まったくくだらないのだが、昭和ノスタルジックな映画風なパートでは感心した、、、昭和以降に作られた映画を舞台にした特に30年代あたりの映画にはいつもガッカリさせられる、三丁目のなんとかいう映画はその最たるもので、セットがひどいので見ていてイライラし不満がたまるのだが、この映画では地面やドブ、ガキが着る服やバラックな家に至るまで細部までもとてもよくできている、たけし自身「昭和30年代だったら俺に撮らせろ、俺が一番よく知っている!」と豪語したようによく知っている人だからこそ作れるものになっている、、、と、たけしを褒めたついでにもう一つ褒めるとなると、たけしはロングの見せ方が巧い、いいタイミングでパッとロングを当てる、あれはたけしのセンス、間がとてもいい、、、
最後に否定な言葉も投げかけておく、たけしには宗教がない、哲学がない、否定も肯定もそれ以前に無い、いろいろやってきたが今まで一度もない、、、ま、そんな事を言ってどちらかというとあまり好きではないのに、好きでないと言いながら必ず見てしまう俺がいる、、、