以前は暮には黒澤を観るのが常だった、最近は小津、、、<秋刀魚の味>と<麦秋>を久しぶりに鑑賞、、、一家の朝の様子、限られた空間の中で割り振られた目まぐるしいカットの出し入れ、同様に演者もフレームに出入り、バックに流れるオルゴールのような環境音楽、とても洒落ている、、、全編、タテ目のショット、詰まった画、わずかな動きのドリー、海岸のロング、オフィス街のインサートカットに至ってはまるでキングヴィダーかジュールスダッシンのよう、小津作品群の中でも極めていい画が揃っている、、、
ただね、原節子が思いを寄せている人が彼であった伏線が弱いような気がするんだよなぁ、小津のペースだからあんまり気にせず流れてゆくけど、並の映画だったら「妥当性に欠ける」とケチつけたくなるところだけど、小津だからね、そんなこと言わずに大満足で過ごしちゃうんだよな、、、