見逃していた熊切和嘉の<私の男>を観た、、、余談になるが熊切の最新作が<#マンホール>というワンシチュエーションのスリラー物らしく、どういう路線変更なのかと驚いて予告を観てみたが、マンホールの内部が非常に広く「そんなデカイマンホールの内部なんてないやろー」と呟いてしまった、、、そういうことするだけで興味が削がれるのだよ、ヘンなことはしてくれるな、、、
さて<私の男>だが、前半の北海道のパートはとても良かった、しかし藤竜也がああいうことになって退場して以降映画も沈んでゆく、、、後半東京に舞台を移してからがとてもつまらない、主人公が「父親になりたかった」と呟いたセリフを聞いた瞬間に興ざめ、そんな独り言は普通言わないし、そもそもそんなセリフいらないし、どうしたんだ熊切、そんなアホな監督だったのか、、、あの傑作<海炭市叙景>を撮った監督ならそんなことくらい判りそうなものだし、あの傑作では極力いらないセリフを排していたではないか、どうしたんだ熊切、、、そして今回<#マンホール>に至るわけだがとても心配だ、あの傑作はフロックだったのか、、、
とは言ったものの、主人公の二階堂ふみの熱演もあり、まるでキューブリックの<ロリータ>のようでもあり、女は生まれた時から女なんだと、この映画の前半のパワーに圧倒されて決してダメな映画ではなく、トータル的にはそこそこ良い作品になっている、、、