今月の末に発表となるアカデミー賞では
作品、監督、脚本、主演男優賞の主要部門だけでなく
助演女優賞、作曲賞にもノミネートされている
韓国移民の一家を題材にした<ミナリ>を鑑賞した、、、
カリフォルニアでヒヨコの雄雌選別作業で生計を立てていた韓国移民一家の夫(父)は農業での成功を夢見て田舎に移り住んだが、なかなかうまく行かない日々を過ごし、夫婦仲は悪くなる一方なので、韓国から妻の母親を呼び寄せることにする、、、米国育ちの子供たちと異文化から現れたおばあちゃんが一緒に暮らす日々をユーモアを交えながら、一家の中での無理解と挫折と未来への希望を描く、、、
でも、なんで韓国移民なのかね
過酷な移民ということでは
火山灰の土地を与えられて耕した日本人ハワイ移民や
ジャングルを開墾する日本人ブラジル移民を描いた方が
より過酷でドラマチックであり苦労の量も質も断然違うが、
日本よりも韓国贔屓のプロデューサーブラッドピットは
80年代の米国本土への韓国人移民一家に焦点を当てることを選んだんだね、、、
そして、これも、<ノマドランド>同様
オスカーに不似合いな気がする
べつに
派手さとか華やかさは必要ではないが
過去の受賞作の系譜から遠いタイプの作品だ
これは
一部の映画ファンに愛されるタイプの映画であり
作品の名が後世受け継がれるようなポピュラー映画になりえるものとは違う気がする
仮にこれがオスカーとなれば
同タイプの映画で、この映画より数倍、数十倍優れている
ルノワールの<南部の人>が「何でオスカー獲れなかったんだ!」と言いたくなる、、、
ただし、もっか、
<ノマドランド>とツートップで競っているのが現状で
こないだも言ったけど
韓国サイドからの猛プッシュと
最高のグッドタイミングでのアジアンヘイトの追い風に乗っかって
作品賞受賞は十分に考えられるよ、、、
仮に作品賞はとれなくても
助演女優賞はかなり濃厚だ
でも、これにしても
韓流ドラマではお馴染みの
よく居がちなおばあちゃんキャラなのだが
それがハリウッドでは見新しいのかもしれない、、、
ラストは火事だが
このシーンを取り上げて
タルコフスキーの<サクリファイス>と比べる人が多いようだが、
「火事」というのは
映画の中では「喪失」「絶望」の象徴だから
<サクリファイス>に限ったことではないので
あえて持ち出して比較するほどのことではないと思うのだ、、、
ミナリ=セリは
どんな土地でも力強く自生する植物だそうだ
いかにも韓国人を象徴するに相応しい強さを感じる
ただし米国にとっては外来種なので
迷惑な存在とも解釈できる
非常に意味深いナイスなタイトルだ、、、
3.5☺
※追記
作中、花札がたびたび登場する
ちなみに花札は「韓国由来のもの」と韓国人は主張しているようだが
花札は日本発祥のものである
しかしながら、今でも韓国ではポピュラーなゲームとして定着している