あれを観た時に
デシーカの<ミラノの奇蹟>をフト思い起こした
「綺麗な夕陽を見れる場所」の名シーンが
カラーで<ノマドランド>で蘇った気がしたんだよね
あれはファンタジーであり
貧しい者たちの夢物語でもあったわけだけで
<ノマドランド>の方は夢で逃げないで
誇張や主張することなく現実を見せたね
いずれにしても
ノマドランドの監督は<ミラノの奇蹟>を意識していたはず、、、
一方
<ノマドランド>の対抗馬であった<ミナリ>は
ルノワールの<南部の人>の模倣だね
これを「たまたま似た」では説得力がないよ
独立して「農場」を持つ話し
お粗末な「家」
「おばあちゃん」(南部の人のおばあちゃんの方がオスカーとった人より凄い!)
「井戸」
「病気の息子」
印象的な「川」
「災難」による絶望
ミナリの監督には
ぜったいに「南部の人は観てない」とは言わせないよ
こういう場合は
「ルノワールの〈南部の人〉を自分なりに焼き直してみました」と潔く告白するべきで、
それが
先人に対するリスペクトというもんです
パクリという言葉はボクは使わない
映画のほとんどが過去の映画から影響を受けているからだ
でも
先人に対してリスペクトなく模倣する人を
ボクは軽蔑します
<ミナリ>は絶対に
アジア系を主人公に、現代に置き換えた<南部の人>なのだ、、、
ルノワールはフランスから米国に移り
数本の映画を撮ったけど
フランスの人が撮ったようには思えないんだよね
アントニオーニも同じように
自分のアイデンティティとは異なる対象も
その土地に溶け込むように撮れてしまう独特の才能を持ち合わせている、、、
ラストも<ミナリ>同様
諦めるのではなく、明日を信じて生きている、、、