それぞれの代表作とは言われはしない、埋もれがちな秀作、、、
あらすじ
東京から雑誌の取材で広島を訪れた主人公の男は、原爆投下から17年経った地で
原爆の傷跡を探していたが、意外なまでに原爆は過去のものとなり、街も人々も平和を謳歌していた。せっかくの取材出張も空振りに終わり、学生時代の友人で今では地元局のプロデューサーをしている男と夜の街に出ることにする。そこで見かけたクラブのママに心を奪われると共に、友人からは「六本指の赤ん坊」というネタ情報を得て、広島に残ることにした。取材を続けると共に、ママと徐々に近づくことになる男、、、しかし、男はママの秘密をまだ知らない、、、
原爆は語り継がれるもの
しかし、幸福を得るには忘れることも大切なのかもしれない、、、
実際
男が取材をしていると、
被爆者である人たちも
野球場では広島東洋カープの試合で盛り上がり
ゴーゴークラブでは普通の若者たちと踊り狂い
顔に大きなケロイドを持った女性でも
「気にしていても仕方ないでしょう」と前向きで明るい
むしろ「広島=原爆」で勝手にイメージを持っている
他方から来る人々の方に暗さを感じるから不思議だ、、、
主人公のクラブのママは
何故か不良客のある男に甘い
主人公の男は「なんであんな男に?」と不思議でならない
女は酔った勢いで
或る晩その男と関係を持ち
誰にも知られていない秘密をその男に知られることになって以来
弱みを持たれ、たかられているかのように
その男には甘くなったのだ
それほどまでママが誰にも知られたくない秘密とは、、、
主人公の男も終盤
女の秘密を知るが
それでも結婚したいと女にすがる
一緒に東京に来てほしいと、、、
明るい広島の街の原爆のキズは
表向きには見えていないが
今でもくっきりと
その身体に焼き付いている、、、