たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

ボクの好きなショット/さらば夏の光

 

吉田喜重ってのは

画家っていうより、フォトグラファーって感じだよね

ボクが映画を撮るならコンテを書く前に吉田喜重の作品をみて勉強するべきだろうね

 

構図、とくにアングルにこだわり

配置、配色が的確

 

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でもね、面白くないんだよね

(いいけど、面白くない)

 

アントニオーニなら面白くなるようなこの題材だけど

アランレネに寄っていってるね

 

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なんでつまらなくなってしまうかっていうと

言葉が多いんだよね

 

やっぱり映画だからね

言葉でなく画の繋がりで観客の感情を沸き上がらせなければいけないのに

画はキレイなだけで訴えるものがない

 

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演者たちの表情も乏しいね

結局、岡田茉莉子なんて生涯を通して

表情の少ない女優として通すことになってしまったよね

 

アキちゃんならね

面白いから、それでもいいんだけど

面白くないから致命的だよね

 

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いくら言葉を重ねても観客の心を揺さぶれなければ

それは文芸(小説)の優位性であり

映画は小説を越えられない

 

だから

画の連続性で観客に訴えるものなのに、それもなく

それではモーションピクチャーとは言えない

 

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すべての芸術がそうだけど

受け取り手の精神的感覚を刺激して

心を揺らすものが芸術で

 

文芸文学(小説など)、音楽、絵画造形美術、写真、舞台(演劇など)、そして映画は

それぞれの特徴、特異性、優位性をもって

他の芸術と刺激しあいぶつかりあったり融合したりする

 

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映画は

音楽よりも物語性があり優位であり

文芸よりも視覚的な優位があり

絵画よりもリアリティがあり

写真よりも動きがあり

舞台よりも自由で拘束されない

 

でも、それが活かしきれなければ

映画の本来のもつ優位性を放棄して他を圧倒できない

 

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たとえば、

FIXで表情を捉え続けて演者が感情を込めてみても

ひとつの場所から飛び出してみても

ほかの芸術では叶わない角度から対象を捉えてみても

映画独特の技術であるモンタージュを用いても

上回れない限界があれば

その映画は失敗したことになる

 

この映画は視覚的な優位性をもちながら活かしきれず

言葉においてはもはや小説に太刀打ちできず

想像力を掻き立てることがまったくない

 

美しいだけなら写真や絵画を上回れない

言葉を重ねても文学には太刀打ちできない

感情を沸かせる画つながりがなければ音楽には勝てない

演者の感情が強くつわりなければ同時性で優位な舞台に勝ることはない

 

でもね、いい構図が多いから、メモしとこっ、と、、、

 

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