数年前、事実上商業映画第一作目だった
<ディストラクションベイビーズ>について
ボクはこのときこう書いている
「真利子哲也、この監督の名前は覚えておこう」と、
他の人にない
独特な世界観を持っていると感じたからだ
そういう若い才能は必ず開花するのは
映画史で証明されている、、、
準備として
映画版<宮本から君へ>を鑑賞する前に
テレビドラマ12話を一気に観てから劇場へ向かった
テレビと同様に高いテンションの池松
その上テレビ版では見せなかった蒼井ゆうのハイテンションぶりも加わって
テレビよりも倍にも3倍にもなってテンション高すぎ
でもね、
この二人とピエール瀧はいいんだけど
面白さではテレビ版を超えていないんだよ
というか、
ストーリーはテレビドラマのその後なのだが
作品のトーンが丸っきり違う
それはきっと監督が
テレビとは違う映画的なものを狙ったのだろうけど
テレビドラマの<宮本から君へ>は
一連の池井戸潤ものをスケールを非常に小さくした
それでもコメディ要素と出演陣の魅力で
サラリーマンとして入社したての男子のハッチャキ熱血奮闘記となっている
しかし映画版は
テレビドラマでも少しだけ登場していた蒼井ゆうをメインに据えて
コメディ要素は控えめに
というか、重く暗いシリアスな要素を加え
真利子監督得意の暴力描写で描く
男女の血みどろな愛の世界
とにかく
主演の池松がテレビも映画でも「泣く」「わめく」「怒る」「酔っぱらう」と
そのハンパない感情のむき出し加減が売りになっている
物語は
生まれてくる子供の父親が誰だか分からないとか
ラガーマンに強姦されるとか
前の男が何かと絡んでくるとか
それでも、女を守ると決めた、愛しとおすと誓った男の話し
やられてもやられても悪党に立ち向かっていく男の姿
前歯を3本折られようが、指を3本折られようが
血だらけになりながらも女の復讐を遂げるために立ち向かう姿に
観客の血もあつくなることだろう、、、
この悪党ラガーマンは
印象深い悪役として記録しておこう
池松を後ろから羽交い絞めにして「じゃ、次は指を折っちゃうよ」という場面では
<恐怖の岬>のロバートミッチャムを思いおこさせる
たぶん監督はやりたかったんだろうね、、、
テレビ版では後半丸坊主頭にした宮本君
映画版では坊主から半年たったくらいの髪の長さになっていた
スケジュール的にも物理的にもあり得ないと思ったが、
クレジットにウィッグ制作者の名前がスタッフとして載っていたので
あれはどうやらかつらのようだ、、、
実際に
前歯を3本抜いてるようだね、役者魂だねえ、、、
おとがめなし!!!(主人公の仲間たちの乾杯の言葉)
3.5☆