今年は今まで観ていなかった
ロシア(ソ連)映画を観るようにしている
それまで
あまり語られていなかったソビエト映画は
冷戦後あらためて見直され
世界的な評価を高めている
この映画も
ロシア映画の質の高さを実感させられる
映画史上の黄金時代の50年代に
<戦争と貞操>のタイトルは
撮影当時の仮題は<あなたの人生の為に>であり
今では<鶴は翔んでゆく>で定着している
第二次世界大戦の最中の事、ヴェロニカとボリスは将来を誓い合っていた恋人同士。ボリスは祖国とヴェロニカを守る為に志願兵となり従軍する事にしたが、出征の日にヴェロニカにその話をする事なく出立する事になる。
一方ヴェロニカにも戦火は及び、爆撃でヴェロニカの両親は失われる。ヴェロニカはボリスの家族の元に身を寄せる事となったが、戦災で家族を失ったヴェロニカは心を閉ざしていた。そのヴェロニカに以前から想いを寄せていたボリスの従兄弟マルクは出征したまま帰らぬボリスを待つヴェロニカを強引に自分のものとし、ヴェロニカは止むなくマルクと結婚する羽目になる。だがその頃、戦場にて前線偵察に赴いたボリスは負傷した戦友を救おうとして撃たれ消息不明に。
ボリスの父の勤める野戦院で看護婦として働きながらボリスの帰りを待つヴェロニカに、ボリスの父親のある一言が襲う。それに悲観し、自殺を図ろうとしたヴェロニカは、死ぬはずの瞬間に一人の子供を助けるが、その少年の名前が「ボリス」だった事から再び生きようと、そしてボリスを見つけ出そうと決意するが、、、(Wikiより転載加筆)
まるで溝口のように(おそらく影響を受けている)
長回し、移動撮影を多用
クレーンとドリーが大活躍
「ドリー」はレールを敷くので足場の悪い悪路にも強く、スピードも自在、ただしレールが見えてしまうので対象の前後での移動が出来ず、基本横移動
「クレーン」はデコボコ道や雪、沼、泥道など悪路に弱く、スピードもないが、整地では変幻自在、自由自在
バスの中にいた主人公を追って外に出て
群衆の中をどんどん対象を追う
最後にはクレーンUPしてみせた
トリッキー!
手持ちからのドリーそしてクレーンへと
キャメラはどのように動かされたのだろうか
マジック!アメージング!
監督は同じミハイルカラトーゾフだけに、納得!
移動や長回しだけでなく
詰まって良し、寄って良し、ロングも良し、煽り、俯瞰、ローアングル、パーン、モブシーン、なんでもござれ、そして的確、、、
技術だけでなく
物語の語り口も上手く
観客の感情に迫る演出は
ほんとうに素晴らしい
日本ではまったく埋もれてしまっているのが
惜しい惜しい惜しい、素晴らしい傑作、、、