たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/怒りのキューバ_I am Cuba

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名作<戦争と貞操/鶴は翔んでいく>のミハイルカラトーゾフが60年代に制作しながら90年代に入るまで埋もれていた(語られることが少なかった)長回しの凄さで有名になった<怒りのキューバ>は昨年上映もされたが見逃し、ボクの「絶対に観たいリスト」の上位に居続けていたが、鑑賞する映画の傾向が似ているブロガー・エノキダケイコさんにYOUTUBEで流れていることを教えてもらってやっと観ることができた、、、YOUTUBEということで映像に関しては一抹の不安も抱えたが、モスフィルム自身が公開していて、なかなかの美しい画質だ、、、(ただし英語字幕)

 

冒頭(2シークエンス目)、有名な長回し、、、2階からキャメラが階下に降りる、するとキャメラは前方のプールに進み、そのままプールの中に入り水中へ、<ララランド>でも同じようなことをやっていたと思うが、機材や設備の揃った現代ではないのだ、まだステディカムもない頃の60年前のソ連の映画がこんな離れ業をやってのけているのだから驚愕だ!

 

後半には映画ファンなら誰でもが知っている、もっとも有名なロングテイク、、、棺が街中をゆく葬列からキャメラは3、4階ほどの高さまで上昇し、次に室内に入り、反対方向の窓際に向かう、キャメラは窓を超えて空中に出て宙を進み再び葬列を追う、アンビリーバブル!、、、これを真似たのが<007/スペクター>の冒頭で祭の群衆からホテルへ~エレベーター~室内~窓外~屋上の長回し移動撮影だ、、、ボクもガキの頃、8ミリカメラを紐に括り付け4階建てのビルの屋上から吊り上げてみたことがあるけれど上手く撮れなかった思い出があるが、その記憶が蘇った、、、

 

ほかに、かなりの上空までクレーンアップした火事のシーンもあるが、ドローンの無い時代に、どうやって撮ったのだろう、驚きだ!(リチャードアッテンボローの<素晴らしき戦争>でも同じようなショットがあるが、それは途中でアニメションにすり替わっている気がする)、、、クレーン、ドリー、ステディカム(に代わる何か)、ロングでのワイドレンズの使用、演者の表情を正対ではなく斜めってクローズアップで捉える、演者と共に彷徨うキャメラ、、、ただね、そういった目を見張る技術もソ連映画の(ソ連の)凄さを世界に示すのが目的になってしまっているような気もするのだ、、、

 

バカな支配者は歴史から学ばない、、、独裁者を退け、社会主義者がそれに代わるが、支配者が入れ替わっただけのこと、人々は自由のために戦い、それでもまた自由を失う、、、原題の「I am Cuba」は、個人ではない、個人は国の一部だ(共同体)の意味なのだろう、、、

 


有名な冒頭の長回し ↓


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映画ファンなら誰もが知っている有名すぎる驚異のロングテイク ↓


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