これは
映画好きな人には
本当にためになる素晴らしい一冊です
ただし
古い映画
とくに成瀬の映画が好きな人にお勧めです
成瀬映画の多くで美術監督を務めた中古智氏と
蓮實氏の対談というか、質問攻め
ボクは
成瀬巳喜男の<めし>に出てくる
大阪の町の長屋が好きなのだが
そのことに関して克明に語っているので
非常に興味深かった
ボクの美術さんに対するイメージは
非常にいい連中なのだが
無口で不良で
もしくはパンク野郎、さらにアーティスト崩れ(失礼)
ナグリを持った不良だから(※ナグリ=トンカチ)
いざとなると警戒しなくてはならないよう連中だ
しかし
この本を読む中での中古氏は
芸術家、文芸に詳しく、教養があり、
もちろん当たり前だが知識も経験も豊富で
非常に知的なのだ
<太陽幕末傳>のセットや
松山氏の手による<羅生門>のセットは
迫力もありスゴイのだが
「え、あれ、セットだったの?」と
思わせるようなセットこそ
別の意味でスゴイ!と、感じた、、、
今はね、
制作費の関係で
なかなかセットを作らないから
借りた部屋とかで撮影するのって
本当苦労するだろうなぁと、可哀想に思ってしまう、、、
(監督も思い通りに撮れない)