たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/家族

山田洋次監督の<家族>

大阪で
万博をやっている
1970年の夏

高度経済成長期のシンボルのような
EXPO’70の年に
生活の貧しさから抜け出すために
長崎の島から北海道へと
ある家族が移住する物語

イメージ 1

今のように飛行機での移動が一般的でなく
また車での移動でもない

炭坑夫から
酪農へ夢をかける
ある家族の
船と鉄道による

船(島から長崎)
鉄道(長崎から広島・福山)
鉄道(広島から大阪)
新幹線(大阪から東京)
鉄道(東京から青森)
連絡船(青森から函館)
鉄道(函館から根室中標津

現代では考えられない
大人でも過酷な旅

夫婦に
4~5歳の男の子と
赤ちゃんと
おじいちゃんが加わり
荷物を抱えての旅

赤ちゃんには耐えられず
途中
悲しいことが

そして
中標津に到着後に
再び悲しい出来事が家族を襲う

夢見て来た旅が
なんのための旅だったのだろうかと
天を見上げてしまう
明かるい将来よりも
喪失感が重い現実

そして
ラストは新しい生命の誕生

この物語は
<遥かなる山の呼び声>へと連なる

観ていて
怒りの葡萄>を思ったり
<沈黙>を思った
キリスタンの家族
開拓精神の先にある
神が与える
過酷な運命

胸が締め付けられると共に
それでも
明日を生きなくてはならない
人の宿命をみる

これからの人たちは
こんな映画があったことを忘れ
埋もれてしまうのかなぁ
ふと淋しく思った