ファンになった人でも
ずっとファンであり続けるとは限らない
でもボクは
いつまでも
風吹ジュンのファンであり続けている
今では普通かもしれないが当時にはいない垢抜けた人だった
風吹ジュンの登場は
まだガキだったボクには衝撃的だった
それはテレビで見た三ツ矢サイダーのCM
ショートパンツにタンクトップ
そんな格好の人はまだ日本にはいない
それは遥かかなたアメリカの西海岸の女の人たちがする恰好だったが
風吹ジュンは今まで日本にいない垢抜けたお姉さんとしてテレビに登場し
人気絶頂の中若くして結婚し一線から遠ざかった
しかし結婚生活は悲惨で
夫はイタリアンの名店キャンティの経営一族の子息で
荒井由美、YMOなどのプロデューサーとして時の人となりながら
麻薬や借金苦で人生は急降下
当然妻である風吹ジュンも苦境に立ち
離婚そして芸能界復帰
復帰作は
松田優作との共演で
身体を張った
<蘇える金狼>
しかし
生活のために働く芸能界であり
演技も歌も何の芸も持たない彼女は
露出頻度が減ってゆく
そんな中
あきらかに今までの彼女と違っていた
きちんと演技をしている
あいかわらず独特の喋り口調は抜けないが
ちゃんと気持ちが入っている
この映画の風吹ジュンを見て
もう大丈夫だと思った
それ以降は
映画やテレビドラマに欠かせない存在となり
今や64才
立派にオバアさん役もこなすが
今でも
デビュー当時の
後ろ向きになってバスケットボールを放り
ゴールを決めるとニコッと微笑んでサイダーを飲む
ボクにとっては
あの当時の美しいお姉さんのままだ
ずっと好きな人
好きな女優だ
そんな風吹ジュンを
一度だけ見かけたことがある
いつもは
好きな芸能人、興味のある有名人には
かならず気安く声をかけるボクも
風吹ジュンだけには
照れくさくて声をかけられなかった
憧れの人の前では
固まる