たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/愛妻物語

愛妻物語 1951年 大映 - 日本映画1920-1960年代の備忘録

 

新藤兼人の監督デビュー作であり、新藤が脚本家として一本立ちする以前の貧しいながらも最初の奥さんと過ごした日々を描いた自伝的作品、、、

 

「これはストーリーです、シナリオになっていない、筋書きです、芝居が書けていない」なにかと凄ぶる(性格的に)評判の悪い溝口(映画の中では坂口)から書いた脚本の感想を聞き打ちのめされる新藤、一方で溝口は別の機会に新藤の妻にこう言う「男というのは女の支えが必要なんです」また、隣人の友禅の絵師から主人公は言われる「男は女房を養っていかないといけません」と、、、妻の支え、女の支えにより男は成り立っているのだ、それが夫婦というもの、貧しい時でも苦しい時でも互いに支えられるかが夫婦の真価、、、

 

本作では描かれていないが、実際は京都の撮影所時代、新藤兼人は美術部として溝口の<元禄忠臣蔵>の実物大の松の廊下を作っているそうだ、このエピソードこそ映画で描いてほしいもんだ、、、

 

雨漏り、将棋、溝口健二、スイカ祇園祭(音のみ)、鴨川、ブランコ、朝顔、、、