たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/アンラッキーセックスまたはイカれたポルノ_監督<自己検閲>版



ルーマニアの鬼才ラドゥ・ジューデ監督が、世界的パンデミックとその後の社会の閉塞感を背景に、人間の「性」をアイロニーに満ちたまなざしで描き、2021年・第71回ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた作品。コロナ禍のブカレストの街をさまよい歩く女性エミ。名門校の教師である彼女は夫とのプライベートセックスビデオをネット上で拡散されてしまい、夜に開かれる緊急保護者会を前に、事情説明のため校長宅へ向かっていた。彼女の不安といらだちは街の人々が抱える怒りや絶望と重なりあい、猥雑で怒りをはらんだ空気が徐々に膨れ上がっていく。日本では「イメージフォーラム・フェスティバル 2021」で特別上映された後、ジューデ監督自ら追加編集を施した「監督〈自己検閲〉版」を劇場公開。「監督〈自己検閲〉版」はぼかしやカットの追加のみならず、ジューデ監督によるアイロニカルでユーモアあふれるメッセージが本編の所々に映し出される。2021年製作/106分/R15+/ルーマニアルクセンブルククロアチアチェコ合作
原題:Babardeala cu bucluc sau porno balamuc 配給:JAIHO(映画.comより転載)

 

 

今世界でもっとも注目されている監督の一人ラドゥジューデの2021年ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品、、、、これは初デートには絶対に選んではいけない代物であり、絶対に遅刻して観てはいけない作品、げんにボクの近くの席にファーストシーンをそっくり見逃し遅刻して着席した客がいたが、重要なファーストシーンを見逃がしたもんだ!そのファーストシーンでいったいこの作品がどういったスタンスで撮られたものかが示唆されるいるのに、残念なこった、、、

 

作家性というのだろうかマイケルムーアにも似た強い独自の主張が反映されている、、、しかし、日本だけに留まらず世界中に蔓延している「表現狩り」ともいえる主義主張の押し付けに対する風刺が強烈だ、強烈なパワーで「ガタガタ言ってんじゃねえよ!」と監督の心が叫んでいるように感じたら、この作品を観た価値があるが、「なんなのコレ?イカレポンチな監督?」と思ったら、この作品は楽しめない、、、ま、だからと言って、良い映画とか、とても楽しい映画とも思えないのが弱点でもある、、、もしも貴方のプライバシー(夫婦の夜の営み)がネットにのって拡散されてしまったらどうしますか?というのは物語のことだけであって、そんな物語部分は大して大きな意味を持たず、人々の価値観に対する不審に着目したとてもバカげていながら、とても人間の本質を突いた問題作なのだ、、、

 

 

民主主義国家であろうと共産主義独裁国家であろうと、支配する側とされる側の立場がある、民に自由を与えないことが支配する側としては一番楽なんだよね、規制規制法律法律で縛りつけること、それに黙って従ってくれればこんなにラクなことはない、役人すべてが思っていることであり、武家社会の際たるもの、、、この映画の中でもファーストシーンで日本の検閲制度を皮肉っている、、、

 

「ふしだらな教師はやめろ!」と保護者達は叫ぶ、いやらしい言葉をつぶやきながらの夫婦の性行為やオーラルセックス、あんなことこんなことに対して保護者達は怒っている、しかしその怒る保護者たちは生殖活動としてしか性行為をしないのか?いや違うはずだ、結局性癖は様々でもみんな同じようなことをしている、だけどもっともらしいことしか言わず誰かが誰かを吊るし上げる、ストレスのはけ口とさえ思える、、、「結果として子供たちもネットで目にするのだ!」と保護者が言うと、主人公は「ポルノサイトを見せないようにするのが保護者だ!」と反論する、、、

 

3つのパートから成り立っているが、最初のパートでは主人公が街中をひたすら歩く、歩いて歩いどこに向かうのか、途中でいざこざもありながら何処かに向かう主人公だが、とにかくルーマニアの街が薄汚れて無機質で、貧しいが故なのか人間の心が通わない殺伐とした空気、すでに共産主義独裁国家ではないのにそんな雰囲気を引きづっていて、貧富の差、ユダヤ人やロマ人に対する差別的な発言で憂さを晴らしているとさえ思えて、絶対に行きたくない国、ぜったいに友達になれそうもない人々なのだが、そこらへんも監督としては併せ鏡としてルーマニア人に見せたかったのかも知れないと感じた、、、また、無駄に思えるヘンテコなパンを多用しているが意図的なのに無意味でマジにウザかった、パンって本当に難しいから使い処に悩むと思うのだが、どうやらこの監督は確信犯的にふざけて多用している、、、

 

3.5☺

 

追記:

この映画の鑑賞中のこと、、、勿論遠慮がちにスマホを下向きに伏せ気味にして覗き込むように時間を確認した、その間2秒もしくは3秒間のこと、、、ところが、通路を挟んだ斜め後ろの人に肩を叩かれた、どうやらスマホを見たことをたしなめられたようだ、厳しいなぁ、、、気つかいながらの2、3秒、しかもパートの変わるチャプターのタイミングを見計らったのだが、それでも許されないのか、、、でもさ、あんたの見るべきものは他人の手元ではなく真正面のスクリーンと思います、、、もちろん映画館の中の迷惑行為に関してはボクも思うところはあるけど、ほんの2、3秒の時間確認は許してほしいなぁ、もっと大らかになろうよ、、、もしもその御本人の方がこれを読んで『俺のことだ』と気づいたら遠慮なくコメントください、、、

 

#どこまで許せる映画館の中