「いい天気だなぁ」
そのセリフの後のカットに
思い切り、いわゆる「雨」が降っている(フィルム傷)
傑作なんだから
ここらへんはレストアしてほしいね、、、
吉村公三郎監督
恩師が亡くなり、妻が結核で療養中の代議士が、その恩師の娘を預かることになる、、、娘は一家の子供たちになつかれるが、一度見舞いに行った療養中の奥さんから疑いをもたれる、、、年の離れた男女だが、ひとつ屋根の下で暮らすうちに、互いに愛情が芽生える、しかし、それは果たせぬ恋、互いのプラトニックな恋心を解放しかけた時に、妻が突然現れる、、、
いやぁ、杉村春子
<キャリー>以来の衝撃と怖さだった
遠くで療養する妻が
雨の降る、しかも深夜に突然帰宅する
誰も予想しない行動に出る瞬間
今にも夫は年の離れた恩師の娘に愛を打ち明けようとしていた
自然な演技を俳優なら目指すと思うけど
それをできる役者はなかなかいない
それが出来るのは杉村春子だけ
役柄は変わって
いつも、そこには、本物がいるたしかに杉村春子なのだが
役が杉村春子に憑りついて演じている
いや、演じるのではなく
その役そのものが振舞っている
それほど語られることはないが
勝るとも劣らぬ埋もれがちな傑作だ、、、