たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/誘惑

f:id:toughy:20210317145010j:plain

 

「いい天気だなぁ」

そのセリフの後のカットに

思い切り、いわゆる「雨」が降っている(フィルム傷)

 

傑作なんだから

ここらへんはレストアしてほしいね、、、

 

f:id:toughy:20210317145126j:plain

 

吉村公三郎監督

佐分利信原節子杉村春子

 

恩師が亡くなり、妻が結核で療養中の代議士が、その恩師の娘を預かることになる、、、娘は一家の子供たちになつかれるが、一度見舞いに行った療養中の奥さんから疑いをもたれる、、、年の離れた男女だが、ひとつ屋根の下で暮らすうちに、互いに愛情が芽生える、しかし、それは果たせぬ恋、互いのプラトニックな恋心を解放しかけた時に、妻が突然現れる、、、

 

f:id:toughy:20210317145106j:plain
f:id:toughy:20210317145116j:plain

 

いやぁ、杉村春子

<キャリー>以来の衝撃と怖さだった

 

遠くで療養する妻が

雨の降る、しかも深夜に突然帰宅する

誰も予想しない行動に出る瞬間

今にも夫は年の離れた恩師の娘に愛を打ち明けようとしていた

 

自然な演技を俳優なら目指すと思うけど

それをできる役者はなかなかいない

それが出来るのは杉村春子だけ

 

役柄は変わって

いつも、そこには、本物がいるたしかに杉村春子なのだが

 

役が杉村春子に憑りついて演じている

いや、演じるのではなく

その役そのものが振舞っている

 

それほど語られることはないが

吉村公三郎の大傑作<安城家の舞踏会>に

勝るとも劣らぬ埋もれがちな傑作だ、、、

 

f:id:toughy:20210317145136j:plain