中国の恥部を炙り出し続けるドキュメンタリー監督であり映像作家の王兵(ワンビン)の代表作のひとつで唯一の劇映画<無言歌>を観た、、、1956年毛沢東は百家争鳴、言論の自由を推奨し、中共に対する批判も歓迎すると宣言したが、翌1957年に方向転換し、厳しく言論弾圧をし、この一年間で炙り出した右派たちを次々と捕まえ、砂漠のド真ん中に強制収容し、荒れた土地を農地に改良する過酷な労働を負わせ死ぬまで働かせた、、、収容といっても掘った穴ぐらでの生活、食料はなく、ネズミを捕って喰うが、腹を壊し嘔吐する、その嘔吐した排泄物を他の者がすくって喰う、、、
思想のため、権力のため、一部の人間の欲のために多くの人々が死んでいくのが独裁、それは地上で最も憎むべき「悪」、、、<鉄西区><苦い銭><死霊魂>で隠したい中国の過去を世に示したが、、、なのに、ワンビンは何故当局に捕まらないのか?あくまでも過去だからか?現政権を否定さえしなければ良く、現政権はむしろ過去の政権を否定することで現政権の素晴らしさを肯定できると考えているのか?
映画史的にはぜんぜん埋もれていない名作だが、一般的には砂漠の中に埋もれている映画<無言歌>、、、是非、観るべし、、、