Magnificent Obsession
映画<パルプフィクション>で
トラボルタとユマサーマンが
ディナーに行く例のお店でのシーンで
トラボルタが注文するのが「ダグラスサークバーガー」
ほとんどの日本人の観客が
「ダグラスサーク」をスルーしているだろうし
そこそこ映画ファンと自負していても
やはりその名前を気に留めることがなかったかもしれない
米国の映画史では一目置かれる存在なのに
日本での知名度は非常に低い
タラちゃんに愛され
オーソンウエルズ、ゴダールも好きだったという
日本では埋もれている監督ダグラスサーク
マックスオフュルスと共にメロドラマの大家であり
おそらく日本の成瀬ファンなら
ハマること間違いなし!
成瀬と同様
淡々とした中で
次第に引き込まれて抜け出せなくなる
この<心のともしび>も
成瀬の<乱れ雲>のような物語の始まりだ
物語は
大金持ちの道楽息子・ボブは湖でモーターボートの事故を起こすが、近所のフィリップス医師の自宅から借りた人工呼吸器のおかげで九死に一生を得る。しかし、人工呼吸器を貸し出したためにフィリップス医師は持病の発作で亡くなってしまう。 入院先の病院から抜け出したボブは偶然フィリップス医師の妻ヘレンと出会い、 フィリップス医師の死が自分のせいであることを知る。 自責の念にかられたボブは何とか和解したいとヘレンに迫るが、そのためにヘレンは事故に遭い、失明してしまう。(Wikiより)
その後ありがちなストーリー展開となるが
その展開こそこの作品が本家であろう
やはり
この作品が大好きなジョンウーが
自らの映画<狼>に同様のプロットを使った
ダグラスサーク組のロックハドソンを主役に
キューピッド的な存在の少女
神様的な存在の画家など
脇を固める登場人物がさりげなく良い味で立っている
また
ダグラスサーク調ともいえる構図
巧いカット割り
印象的な逆光
どっぷりと
サーク劇場に酔い浸れる名編だ、、、
正直
<心のともしび>という邦題が相応しいか分からない
ボクなら<つぐない>とタイトルするだろう