みんな
アステアとかジーンケリーとか
ボブフォッシーとかマイケルジャクソンとかいうけど
彼等も一目置く
憧れの存在
真のダンスの神様は、ビル”ボージャングル”ロビンソン
サミーデービスJrが<ボージャングル>♪って歌を唄っているよね
尊敬すべき偉大なる黒人の大スターを唄った歌だね
その偉大さは
なにしろタップダンスの日(5月25日)は
ボージャングルの誕生日にちなんで制定されたことからも分かるし、
まだまだ黒人差別の激しいその時代に
彼は「特別白人」とみなされ白人たちからも愛された
黒人/白人、人種の垣根を越え
誰からも愛され尊敬された
稀代なる偉大なタップダンサーでありエンターテイナー
実はボージャングルの映画デビューは遅い
長らくショービズの世界で活躍し
ステージに立ち続けることを優先していたからだ
そのため映画界に進出する頃には
すでにダンサーとしての峠を越していたといわれている
しかし、それでも
誰もが知っている「ステアーダンス」
階段を昇ったり降りたりする
高等技術のダンスが彼の代名詞で
それは
シャーリーテンプルとの競演した<小連隊長>で
やっとスクリーンで披露され
<雨に唄えば>の有名なナンバーと肩を並べるほど
米国では有名なダンスシーンとされている
映画史上ナンバー1名子役であり
歌も踊りもこなす芸達者な天才子役テンプルとのパフォーマンスは素晴らしい
さて
やっと本題の本作品についてだが、
驚くべきことに
この当時1930年代に
この作品の全キャストは全員黒人!
そして
実在するボージャングル本人を登場させ
彼の自伝的な物語
この作品でのボーの見せ場は「サンドタップ」
タップシューズを履かずに裸足でタップする!
裸足で砂の上で踊ることで音を生み出すダンス
ピークを過ぎていたとはいえ魅せる!
黒人の自尊心を掻き立てる本作の
実の狙いは
黒人たちを国家に貢献するよう植え付けるための「戦意高揚」といわれている
<ヨーク軍曹><ミニヴァー夫人>など
戦意高揚映画は数あれど
その対象が黒人に向けたものがこの作品だ
映画のラストのナンバーでは
ボージャングルの後継者
歴史上もっともダンスが上手いとされる
ニコラス”フラッシュダンス”ブラザースが
物語とはまったく関係なく登場し、見せ場を作り
きっと当時の黒人たちを熱狂させたことだろう、、、
戦意高揚とかボージャングルとか
日本では埋もれてしまうだろう傾向の作品だが、
ボージャングルやニコラスブラザースを
眺めるだけでも価値のある一篇だ
ミュージカルを語るうえで
ぜったいに欠かせない埋もれがちな傑作、、、