たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/ミスブロディの青春_The Prime Of Miss Jean Brodie

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やっと観ることが出来た<ミスブロディの青春>、、、女性に参政権もない時代の英国の古い町でのお話し、、、マギースミスが演じる主人公の女子学校の教師は保守思想のはびこる校内にあって時に過激なほどのリベラル志向な人物だが、それが女子生徒たちに刺激を与えるためとても人気がある、、、「PETRIFICATION」石化という意味だそうだ、保守的な考えを指している、「美と芸術と真実以外は信じない」と吐く、、、そんな主人公の振る舞いを好ましく思わない校長は再三学校を去るように仕向けるが、それに対する主人公の姿が胸をすく、、、堅苦しく自由の制限される保守的な校風と違いレベラルな女子教師は女生徒たちの憧れだが、それが嫉妬や複雑な感情に変貌していくあたりが抜群に面白い、、、

 

「アサシーン!アサシーン!」

皆の憧れだった知的な教師から最後に発せられた言葉、このセリフを吐く主人公が惨めで悲しい、あんなに知的な女性から最後にこんな言葉しか出ないのか、そしてその言葉はそのまま自分に向けられているのだ、その言葉を浴びせられた女子生徒は平然と振り返ることもなく先生のもとを去っていく、、、

 

本当はね、極端でなく、良い伝統は残し、おかしなことは改めるで良いのだけど、ひとつの考えに凝り固まると臨機応変ってことが出来なくなるね、ま、臨機応変も向こうからしたら優柔不断でしかないのかもしれないが、、、

 

最近は「オールドミス」という言葉を聞かなくなった、おそらく知らない間に「禁句」になっていたのだろう、、、まさしくこの映画のタイトルがそれ「オールドミスブロディの過ぎ去った青春」がこの映画、、、女は旬でいるうちに結婚して家庭に収まった方が良いのだという考え、リベラルな彼女には到底受け入れられないこと、まだまだ「女盛りだ」「50までは」と自分を表するほどだ、今の若い人が聞いたら訳の分からないことだろうが、ボクの人生の半分はこんな考えがスタンダードだったかもしれない、、、そういう意味では映画史上とても需要なフェミニズム映画の一本とも言える、、、

 

監督はこの4年後に<ポセイドンアドベンチャー>を撮るロナルドニームだと知って驚く、ハリウッドで娯楽映画を撮っている印象が強い監督だが、英国時代にはこういった作品も撮っていたのだね、リーンの<逢びき>の脚本もロナルドニームだというので合点がいった、、、そして作中、大きな講堂のような食堂のシーンが映るが、一瞬<ポセイドンアドベンチャー>が頭をよぎった、、、形の違う映画だが、構成も<ポセイドンアドベンチャー>と同じく平穏から反転へと劇的に転調するのも監督の好みなのかもしれない、、、

 

ミュリエル・スパーク『ミス・ブロウディの青春』1961,理想主義に走り、傷つき歪む女性教師の心: つぶやき館 (元祖つぶやき館) 移転しました

パメラ・フランクリン | 映画ポップコーン

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