本当のところの痛みや辛さは本人しか分からない
ましてや言葉では伝えられない
カハラが死んで一年が経った
カハラ最後の一か月の写真を眺める
床に伏している写真が多い
一か月前から既にかなり苦しかったのだろう
その頃はまだ死期が近いという実感が薄かったから
今見ると可哀想で涙が出る
その後オキシメーターで90の値を切り
医師は「かなり苦しいと思う」と言うが
医師も私たちも90を切った体験などないのだから
それがどの程度の苦しさなのか想像でしかない、、、
二週間前
鍼を打った後に少し元気になって
その街をキャリーに乗せて散歩した
涼しげな夕ぐれ前の街
一週間前
テラスのある店でボクの食事の肉に食いついた、一切れの牛肉
それまで全く食欲がなかったので少し驚いたが
それがカハラにとって最後の食事となり
それ以降何も口にしなくなった
亡くなる前日
別の病院に行った帰りに寄った夕ぐれの公園
三人の最後の散歩（カハラは歩けなかったが）
これがカハラ屋外での最後の写真
まさか翌日亡くなることになるなんて
まだこの時は知らなかった、、、
カハラが亡くなって一年
カハラがいる時はテラスのある店、犬が入店できる店を選ぶのが常だったが
今では透明になったカハラといつでもどこにでも気軽に入れる
この一年間でボクが身に着けた特技
それは、、、１分あれば泣ける技、、、
