文章の綺麗な
映画鑑賞紳士hisaさんが取り上げていて
昨年見逃していたアルモドバルの<ペインアンドグローリー>を
さっそく観てみた、、、
「映画は変わらない、観る方の眼が変わるだけだ」
そうなんだよね
映画はそのまま時代を越えていく
ただ観客が人生を重ね沢山の経験を積んだり
たくさんの映画を観ることで目が肥えてきて
同じ映画でも見方が変わるんだよね
分からなかったことが分かるようになり
感情の揺れなかった映画に
今では揺り動かされるようになったり
身体のペインと
心の苦痛、不安のペイン
痛みを知ることによって
気づくこともあるよね、、、
人生は山あり谷あり、登って下って、プラマイ0
ただ、人によってその振れ幅が違うだけ
ボクの生活には必ず毎日事件が起こり
連続する困難なことをクリアする日々
神様がボクを試して笑っているのだと思う、、、
映画は生き残って
時代を越えても語られる作品が評価され「名作」の称号を得る
時代の風を何年も浴びてからでなければ
その称号を得る権利は与えられない
この映画では
35年前に制作された主人公の監督作品にまつわること
さらに遡って幼少期の記憶と共に人生の晩年で振り返る物語、、、
優れた監督は
映像に映し出される全ての事や物に意味があり
もしくは、意味合いを持たせる
この映画では監督は「赤」を意識している
35年前に監督した「風味」という作品のポスターの「赤」
現在の家のキッチンの「赤」、母親の着る服、数十年ぶりに訪ねてきた旧友(同性の元カレ)の服、ビジネスパートナーの服、シネマテークの屋内、絵の中の少年(過去の自分)、そして前向きになった新しい自分の服の色、ラストシーンの母子が転寝をする部屋、、、「赤」
総じてポジティブな要素に使われている
そして「家」
旧友が訪ねてきて部屋を褒めると
「家にはこだわってきた」と主人公本人が吐露する
家へのこだわりは母親のこだわりの踏襲
母から受け継いだもの
穴倉の家の生活を前向きに生きた一人の女性の心の源泉、、、
ラストは、ね、
洋画なら<仮面ペルソナ>で
よくあるパターンではあるけど
非常にしっくりいくラストだった
アルモドバルにしては穏やかな作風ではある、良質の一本、、、
4☺