動燃
動力炉核燃料開発事業団
昔、そんな組織があった
ボクは昔(20代中ごろ)
そこの広報のVP(PRビデオ)を制作していた
ま、原子力発電の安全性を訴える片棒を担いでいたことになる
でも、そりゃ、仕事だからね、仕方ないね、堪忍ね
どんなに原子力発電が
安心安全で、低コストでクリーンなエネルギーであるかを
世間に広める役割の一部を担っていたのだ、、、
全国の原子力発電所を廻り
ビデオカメラに映像を収めた
ところがね
たとえば「東海村」の人たちにインタビューしても
当然みんながみんが賛成/歓迎しているわけではなく
不安を口する人も多いのが実態だった
だけど
そんなコメントは当然使わなかった
っていうか、使えなかった
当然
動燃にとって都合の良いシーンしか使わないわけだけど
それでもボクは
そんな反対的なコメントを捨てずにとっておいた
いわゆるNGシーンだね、、、
そして完成後
クライアントである動燃の広報担当者などを集めて
完パケの試写を行った時だった
試写が終わった後に
ボクが密かに編集していたNGシーンによる別バージョンを
急遽披露することを強行した
ボクの編集したソレは
動燃や原子力発電には
非常に都合の悪いシーンばかりを集めているわけだから
クライアントが激怒することも予想されたが
監督は「やっちゃえ!」と背中を押してくれた
「助監督のボクが遊びで作ったので、ノリで鑑賞してください」と
一言加えてからプレビューした
ボクのゲリラ的な行為に
その場にいた弊社の役員とプロデューサーの顔が引きつった
もしかしたらボクの「クビ」も有り得たが、
ラストシーンの本来なら日が昇るシーンでは
ボクのバージョンは
日が昇ったと思ったら
水平線に線香花火が落ちるように日が落下してしまうのだが
その瞬間大爆笑となり
クライアントは大喜び拍手喝采だった、、、
ま、ボクは事後
副社長から呼び出され小言を言われたが
とくに処分もなくに済んだ、、、
その後、
ボクは業界の仕事を辞めた後も
何の縁か、たびたび福島原発をとくに
全国の原子力発電所を訪ねることが多かった
でもね、
その数年後に起った東海村での臨界事故
お二人が死亡したその事故は
ボクにとっては衝撃だった
しかし
その後も原子力発電は止まらず、
ふたたび日本は危機に陥った、、、
この映画は
その福島原発の事故を再現したものだが
ほんとうに怖かった、すごく怖かった
奇跡的に、神頼み的に助かっただけで
主人公たちでさえ死を覚悟していた
東京を含めた東日本全体が死の土地になる運命だったことに
あらためて背筋が凍る思いだ
やっぱり原発はマズイよ
はやく代替のエネルギーを
本当の意味での安心安全で、低コストでクリーンなエネルギーを!
3☺