公開当時以来
30年ぶりに
<アンタッチャブル>を観た
フィルムノワールな題材を
現代風なルックでデパルマが撮った
これをノワールと言ってしまったら
ギャング映画は全てノワールになってしまう
だからGFもノワールではない
デパルマは年をとるにつれ
娯楽性を維持しつつ
作家性というか独自性が薄れていき
最後には<ミッションインポシブル>のような作品さえも撮るように
エンタメ志向になっていくが
その入り口ともなったのが
この<アンタッチャブル>だったのかもしれない
<ファントムオブパラダイス>が左側に位置するとしたら
(政治思想的な意味合いではなく)
<ミッションインポッシブル>が最右側で
この<アンタッチャブル>がセンターから右寄りに位置している
ストーリーは
<七人の侍>的な要素で始まる
百姓はケビンンコスナー(ネス)で
志村喬がショーンコネリーといった感じが良い
そして
デパルマ唯一の「西部劇」的な雰囲気が漂う
もちろん馬に乗るシーンもあるが
それよりも
町を仕切る大悪党に対し数人の保安官が挑む構図や
屋上での対決シーンなどは西部劇的だ
♪
30年の時を経ても
まったく色あせないガッカリしない映画だったが
意地悪にも難癖を敢えてつけるならば
「キレイすぎる」
照明やセットがキレイなのだ
とくにナイトシーンにおける
「青」そして「赤」を誇張したライティングがあざとい
作りこみすぎ
エンタメに偏りすぎるあまり観客に媚びてる感が漂う
メジャー映画だから
エンタメだから仕方ないけど
デパルマにはどこかマイナーな空気が似合う
お洒落すぎる
でも
これをキッカケに次は
久しぶりにジョンミリアスの<デリンジャー>を再見したくなった、、、