米国では
スポーツにせよ
映画などの文化的なことにしろ
過去に功績を遺した人たちのことをよく知っていて
その人たちをリスペクトする文化が根付いている
メジャーリーグの若い観衆たちは
そんな過去に活躍した人をよく覚えていて
スタンディングオベーションで球場に迎え入れる
(プロレス会場でさえも)
日本では
その点が非常に欠けていて
今のスターしか知らず
今のスターや今の作品に影響を与えた過去の人たちを知ろうともしない
「今」しか知らない、知ろうとしない
非リスペクト文化、無関心文化
まさしく「埋もれがちな文化」
成熟してない文化といえる
だから伝説的なスターすら知らないで
おバカタレントのようでマヌケに感じる
(若い人にモンローやチャップリン、ジェームスディーン、デコちゃんといっても知らないことが多い)
この映画は
まさしく溝口の映画の世界
女の性(さが)の映画
愛と怨みの映画
主人公を演じるのは山路ふみ子
日本映画史上の伝説の女優
映画ファンなら
その名を思い出すと思う
その山路ふみ子がイイ
男に裏切られ、貧しさから子供を預け、夜の商売へ
典型的なパターンでも
溝口なら期待に反しない
なんと
夜の女が
万才に転身し舞台に立つ
劇的で、非常に興味深く、面白い
この映画の見せ場でもある
そしてラスト
思い切った省略法で
ラストの1カットをパンとみせる
上手い
溝口なのに
ハートウォーミングで
ハッピーエンドな
なかなかの傑作だ