たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/天気の子

昔、首都高の中央環状線を新木場方面に南下していた夜
隣の席の大阪の友人が右手の景色を眺めながら
「東京って大きいなあ、どこまでもどこまでも東京だね、これが全部東京なのか?」
と、尋ねたので
「いや、キミの左手もそうだよ」と答えたら
東京に押しつぶされてしまったように彼は身をすくめた、、、

何故かそんなことを
遠い島から主人公の男の子が東京にやって来た
この映画の冒頭のシーンの数々を眺めながらボクは思い出していた、、、

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新海監督の新作<天気の子>

エンドロールの後
立ち上がった隣の席の高校生グループが
「まじ良かった」「すげえ良かった」と絶賛していた
きっと彼らにとって
今の時点での生涯の映画ベスト10とかに入る映画になったのだろう

それほどでもないが
ボクも<君の名は。>よりもコッチが好みだ

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新海監督の得意の
水や雨の描写はいつもながらに繊細だ

他のアニメとは圧倒的な
ひとつのカットにおける質量が違うのだ
一枚の画の中にある情報量が多いのだ
素晴らしい

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もしかしたら
次の米国アカデミー賞長編アニメ部門の候補になるかもしれないが
いままでノミネートされた日本アニメの2本と
共通点が多いのは気になる

世界の人は「日本のアニメはまた同じようなことやっている」と
千と千尋の神隠し>や<未来のミライ>との類似点を指摘することだろう、、、

新海監督の
不思議な力、巫女さん好きは今回も健在で、

また
相変わらずのオッパイフェチネタも健在だ、、、

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ただしね
前回もボクは指摘したんだけど、
新海監督はいつも一人で脚本書くが
それは一旦やめた方が良いと思う

過去の巨匠たちも複数の脚本家たちと台本を仕上げたように
もしくは原作ものが良いと思う
オリジナルはちょっと荷が重いように感じるのだ
そこらへんはプロデュサーの川村元気氏が是非とも忠告して欲しい、、、

いざとなると強引な手法で話しから逃げることがある
それはアイデア不足を露呈しているのだ
逃げ場が無くなった時こそ観客を納得させ感心させる筋をかいて欲しい
いくらファンタジー映画だとしても
いきなり特殊な能力で難を逃れるのはズルすぎる、、、

また、「そうなった後」の東京の描写も力不足だ
絵の力、風景で逃げている
あれでは、東京がああいうことになっても
どうにか普通に生活しているかのようで説得力がない
そんなことはあり得ないのだから
その点に関しては踏み込んでほしかった、、、

そもそも
主人公が東京にやって来た動機が薄い
いや、あんな理由では無に等しい、、、

女の主人公が
「その状況」になった過程も説明不足だ
いちいち多くを語る必要はないが
父不在の理由、母の死因、
また、今の状況に至った一つくらいエピソードがあってもいいはずだ、、、

そうかと思うと
やたらとくだらないセリフが多い
「ボクはどうしてこうしてこう思った」って喋り過ぎなんだよー
それじゃ映画ではないでしょう!

しまいには「世界ってなんて素晴らしいんだ!」って、
それを映画で言っちゃ~おしまいよぉ~

「晴れ女」を探している主人公が
いとも簡単にもう一人に主人公の「晴れ女」に遭遇したり

いくら生活のためっていっても
あの女の子が風俗いこうとするかぁ?って、説得力のなさ、、、

ダメ出しばかりになってしまったが、
それはこの映画を否定するのではなく
新海監督の弱点を指摘しているだけで
それを乗り越えた時
とてつもない作品を作り上げると思うのだ、、、

P.S.
ボクのよく行く公園が出てくる
聖地化され人が多くなり犬の散歩がしづらくならないか不安だ、、、

P.S.
そして、ひさしぶりに、
倍賞千恵子の声を聞けたこと、Thanks!

3☺
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