たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/ビッグナイフ/悪徳

当時
ヴェネチア映画祭の銀獅子賞をとりながら
監督がロバートアルドリッチでありながら
日本では劇場未公開だった<ビッグナイフ/悪徳>
埋もれがちだね、、、

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ハリウッドの内幕物で
スター俳優がスタジオシステムの中で
プロデューサーに契約により拘束されている現実と
ささやかな抵抗の果てに辿る主人公のストーリー

それだけに
メジャー映画会社すべてが製作を断り
やっとの思いで完成にこぎつけたアルドリッチ執念の一本

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そもそも原作は戯曲
アクターズスタジオのリーストラスバーグの演出
ジョンガーフィールドが主役で演じられていたが、

ガーフィールドの死に伴い
映画化にあたってはジャックパランスが主人公を演じる

そして
やはりアクターズスタジオ出身のロッドスタイガーが脇を固め
悪徳プロデューサーを演じて
いつもながらの強烈なインパクトで存在感抜群だ
(やはり助演女優のシェリーウィンターズもアクターズ出身)

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近々公開予定のタラちゃん新作<ワンスアポナタイインハリウッド>は
ハリウッドの内幕物だが
ハリウッドのスキャンダラスな歴史を綴った「ハリウッドバビロン」を読めば
ハリウッドがいかにクレイジーな連中の巣窟かが知れる

そんな巨大で強力で悪徳なハリウッドの一端を描いた本作にこんなセリフがある
「意義ある映画を撮っているのはスティーヴィンス、マンキーウィッツ、カザン、ヒューストン、ワイラー、ワイルダー、クレイマーだ」

アルドリッチは後日インタビューに答えて
「本人が望むならフォードとニコラスレイも加えてやってもいいよ」と、

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またこんなセリフも
「商売と理想は矛盾する」

たいへん考えされられる言葉だ
商売のため=たんなる個人的な利益ではなく会社や従業員のため
そのためには時折自分の理想を脇に置いて
現実と妥協せざるを得ないこともあるからだ

アリドリッチは兎角
アクション監督と思われがちだが、
ワイルダーがコメディとシリアスを交互に撮ったように

男臭いアクション映画の一方
舞台劇のようなほとんど演者の演技に頼る会話劇をしばしば撮る
そして、人間の心の奥深くをえぐる

観ておくべき作品、、、

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いかにもアクターズ仕込みの演技

記録としてアクターズスタジオ出身もしくは関わった俳優をメモする