こういうこと考えたことある人いるかな?
自分が生きていること
自分自身の身体に感謝して
「オレの心臓!今日も動いていてくれて、ありがとう!」って
DVDリリースによって
埋もれていたキアロスタミが多くの人に再評価されるであろう一方
代表作とされる<桜桃の味><クローズアップ>や
「ジグザク三部作」が脚光を浴びるであろう中
この作品は
まだまだ埋もれた状態かも知れない
が
ボクは<風が吹くまま>の次に好きだ
<トラベラー>
落第生の男の子が、テヘランまで夜行バスに乗ってサッカーの試合を見るために、親の金を盗んだり、友だちを騙したり、ウソをついたり、勝手にモノを売ったりして金を作り、どうにかバスに乗り込んだ、、、って物語
フィルム入っていない壊れたカメラで
下級生たちに写真を撮って金をとる
明日現像して渡すというが
今のことしか
自分のことした考えないから
その後のことなど想像しない、、、
主人公の男は同情の余地も沸かないような
可愛げのない子で
いかにも悪そうな顔をしている
でもね
周囲の大人たちの無理解や
優しさの欠ける親の態度や言動を見ていると、
あの映画を思い出してしまうね
そ、<大人は判ってくれない>
その一方で
子供の表情をクローズアップで捉えるショットでは
是枝を彷彿させる
つくづく映画はつながっているんだよね
新学期・操行ゼロ(ジャンヴィゴ)
↓
↓
トラベラー(キアロスタミ)
※<大人は判ってくれない>からは
何もキアロスタミだけが影響を受けているわけではないが、、、
↓
誰も知らない(是枝)
一か所、気になったことがある
主人公の男の子が注目している視線を意味して
その注目している対象に対して
ズームアップするんだよね
2、3回同じ手法をとっていた
注目するという感情に対して
ズームアップという機械的なテクニックって
相応しくないと感じるんだよね
もしかしたら
キアロスタミ自身、後悔しているかもしれない
監督って
どんなに褒められた作品でさえ
完璧に自分自身納得することはないって言うだろ
小さなことでも
苦々しく後悔するらしいよ、、、
みんな自分で生きてると思っている
他人の思いやりや協力で今を生きていることをつい忘れれがち
ましてや
心臓が動いていることなんか考えもしない
あのガキもガキで
誰にも何に対しても感謝もせず
それでも
逞しく生きていくんだろうね、、、
ネガティブな言葉ばかりを親から浴びせられる子供
奥が深く撮れていて好き
どこの国でも、大人は判ってくれない
こういうミドルの画もいい
こういう凝った画も
子供って、今だけを考えて生きている
それでも、逞しく生きるんだろうね