たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/アジアの嵐

一昨年あたりから
あまり観ていなかったソ連ロシア映画を観るようになり
その底力には度々圧倒されているが、

今回の<アジアの嵐>も
映画史的には名作であるのに、日本では埋もれがち、、、

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そもそも
ロシアというと
エイゼンシュタインとかタルコフスキーとなってしまうが、
エイゼンシュタインと共にロシア映画の存在を世界に知らしめた
フセヴォロド・プドフキン(普段「・」はしないが、さすがに判りにくいので・)

モンタージュでいえば
今の感覚でいえば特に目を見張るものはなく
むしろ古臭ささえ感じるが
当時としてはダイナミックに観客の目を喜ばせたであろうとは簡単に想像がつく

古臭いけど確かな構図

馬、犬、群衆、風、木、モンゴルの大地、、、

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茫漠たる蒙古の広野に育った猟師ティムウルは病床にある父親から珍しい銀狐の毛皮を渡され金に換えようと市場に出立する。一年に一度開かれるこの市場では蒙古人が遠い路をはるばる運んで来た毛皮が売買されるのであるが、買手たる白人商人は狡猾な手段でいつも彼等の品物を強奪的に安価に手に入れている。ティムウルが持って来た銀狐の毛皮は市場の人気を呼んだが悪辣な白人商人は僅かな値段で買落とそうとする。これが因でティムウルと白人との間に争いが起り軍隊の出動となったが友人の計いでティムウルは山中に逃亡し、ゆくりなくも蒙古独立の志士の一隊にめぐり会う。そしてこの義勇団の団長の危険を救ったことから彼もまた団員として仲間に入ることを許される。此の地に来ている自国商人の利益を保護し隙あらば土地までも我物にせんと言う侵略的野心を持つ白人国の政府はかねてから此所に一団の軍隊を駐屯させていたがその司令官ペトロフはその内意を色にも出さず、表面和平を説えて此の地の宗教喇嘛教の儀式などに参列している。だが蒙古独立の義勇団と自国の軍隊とが交戦中との報知を受取り彼が司令部に帰って見ると、そこには一人の蒙古人が捕えられていた。この蒙古人こそティムウルであったが、ペトロフは彼を反抗者の一人として直ちに銃殺の刑に処さんとする。所が一伍長に命じてティムウルを処刑に出した後、ペトロフがティムウルの所持品を調べてみるとこの蒙古人がヂンギスカンの後裔であることが判明する。そこで老獪なるペトロフは一計を案じ谷底に瀕死の状態でいるティムウルを連れ戻し手厚い看護を施す。ティムウルは未知の白人の中にあって元気を回復してゆく。かくてペトロフはティムウルを蒙古王に祭り上げ自らその実権を握ろうと計画をめぐらす。ティムウルは美しい白人の女性から見世物扱いにされているのを心づかず司令官の野心の傀儡となって無意味の日を続ける。だがペトロフの奸策や一切の虚飾の剥がれる日が到来した。或日司令官の令嬢に毛皮を持参した男があった。この男こそティムウルを恥しめた商人でありその持参品は問題の毛皮であった。ティムウルの怒りは一時に燃え上り彼は人々の前面で令嬢の頚に巻かれた毛皮を奪い取る。忽ち官邸内は騒然となる。折から捕虜となった一蒙古人が彼の面前で惨殺される。いまは猛虎の如く怒り狂ったティムウルは阿修羅の如く荒れ廻り厩より荒馬を奪って去る。蒙古は遂に立った。横暴なる白人に対して起った。ティムウルを先頭に数万の義勇団の馬蹄の響き、突如アジアの広野に嵐が起った。ペトロフの軍隊は銃をとって走る。嵐に面をそむけながら。嵐は力を増す。丘の大樹は吹き干切られる。岩も飛ぶ。軍隊も吹き飛ばされる。ティムウルの一隊は勝鬨あげて過ぎる。ペトロフの一隊は重なり合って丘をころがり落ちてゆく。...(映画.comより転載)

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そして、
ベルトルッチは絶対にこの映画を観ている
つくづく映画はつながっているね
何にも影響を受けずに完成した映画は皆無だからね(リュミエール以外)
ラストエンペラー>に大きく参考になった作品といえるのだ

そして
悪い米英民主主義諸国に対する大いなる批判
良いロシアのプロバガンダの要素が強く反映されるが
たんに映画のスゴさを堪能できる一本、、、

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