たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画の「再現性」について、、、

次男に「再現性」の話をした時
「まったく同じって無理でしょう」という返答が返ってきた
 
再現性ってね
まったく同じようにするってことだけではないんだよ
 
なんでこの話になったかというと
今、家族がハマっている米国ドラマ<ゲームオブスローンズ>って
中世を舞台にしたファンタジーのようなドラマ
 
ボクは観てないけど
たまたまチラって目に入ったから正直に
「衣装がダメだね、これじゃゲームのキャラクターみたいだし、現代の素材で現代の感覚のデザインで作られたコスチュームだね、再現性に欠けるね、セットもそんなには良くないよ」と、
 
黒澤明は戦国時代以前の時代劇を撮らなかった
その理由は当時の衣装を再現できないから、、、
 
よく「こだわり」って言い方されるけど
ウソっぱちになってしまうのがイヤなんだよ
 
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再現って
何も再現ドラマってことではないんだよ
 
記録映画でないかぎり
映画は作りものだから
それは承知の上で
それでもウソ臭くなってしまっては白けてしまうんだよね
ウソだとしても本当のように観客に思わせる
 
だから
ブレッソンは素人の人たちを使うのが常だし
キアロスタミが<クローズアップ>を実際の事件当事者で再現したり
最近でもイーストウッドが<何時何分、パリ行き>で主役を実際の人物にやらせたね
 
只今絶賛大ヒット中の<ボヘミアンラプソディ>は
ライブをそのまま完コピしたね
これも再現性の最たるものだね
非常に良いチャレンジだね
 
そしてボクが
もっとも再現性が成功していると感じる映画として
木靴の樹>を例にあげることが多いんだけど
 
あれは
1800年代のイタリアの田舎に
ワープしている凄い作品だよ
 
観客は映画館に入ったつもりが
そのままイタリアのその時代に連れていかれたよ
 
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だからね
別にね
まったく同じ場所で同じ建物で同じ人物でなくてもいいの
 
たとえばファンタジーだって
それが本物に思えれば
それはそれで再現性が成立する
 
忠実ってことより
そうだろうなって観客を完全にだますこと
それが「再現性」
 
そして
これが映画ですごく大切で
 
いくらCGで
かっこいいデザインのセットを創っても
一瞬そこにウソが見えたら白けちゃうし、
 
CGCGした画では
もう劇場を抜け出したくなるね
 
たしかにそこそこ面白いかも知れないけど
ボクは途中で何度も何度もガッカリさせられた
 
これが70年代までの特撮ならね
それも「味」として包容できるけど
(60年代の<2001年宇宙の旅>だけは奇跡)
 
もしくはザックの<300>や<サッカーパンチ>のような
ゲームの世界の感覚で
ハナから狙いで行っている作品なら面白いけど
 
再現しよう、ウソを作りあげようとしながら
ウソが見えてしまったら、映画に集中できないんだよね、、、
 
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