<ダンガル きっと、つよくなる>
副題がインド映画のヒット作<きっと、うまくいく>から綾かっているのは明白で
配給会社の商魂を感じるが、
こちらもそちらに負けないほど面白い
ダンガルは「戦え」の意味のようだ
貧乏のため国際大会に出られず
金メダルの夢をあきらめた男が
娘たちにその夢を託す
いわゆる「スポ根」もの
<巨人の星>もそうだけど
親が子に夢を託すといえばカッコイイが
それは親の夢であり
子供の夢ではなく
ほぼ強制的でスパルタで
子供は親の犠牲者にしか思えないのが
この手の作品の宿命だけど
けどね
国はインド
インドの現実が
この娘たちの心を動かすのだね
友人が諭すように娘たちに語る
「いいお父さんじゃない、普通、私たちインドの女の子たちは14才になると知らない男に引き渡されて、子供を作り、育て、家事に追われるだけの人生だよ」
その言葉にレスリングを強制されている娘たちは
ハッとするんだね
結果としてだけど
お父さんはそんなインドの普通の女の子とは違う人生を歩まさせてくれている
これは実話だからね
こういうことも重みがあるんだよね
「女を下に見る全ての人間との戦いなんだ!!!」
最後の方でお父さんが叫ぶ言葉だけど
このお父さんも男の子に恵まれず
女の子が生まれると落胆していたことを思えば
お父さん自身も成長したと言えるね
お父さんは娘のため
娘はお父さんのため
お互い人間が大きくなっていくんだね
男尊女卑の激しいインドでの
わずかながらの女性の抵抗の物語でもある
といっても
説教臭い映画ではなく
娯楽ではハリウッドと張り合うほどの
見せることに長けているインド映画
ぐいぐい引っ張る娯楽映画の佳作だ、、、
3☺