たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/極北のナヌーク(極北の怪異)

リュミエールが初めて
<工場の出口>という映画を公開してから20年後
人によってキャメラ
世界の何処へでも連れて行かれていた、、、

世界で初めてのドキュメンタリーであり
映画史上最も寒さを感じる映画と言っても過言でない作品
記録映画の父ロバートJフラハティの<極北のナヌーク>
カナダのエスキモーであるナヌークとその家族を追った作品で、
あのアキちゃんのツボに入ったお気に入りの作品らしい

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エスキモーというのは差別用語らしいね
今では一般的に「イヌイット」と呼んでいる

そういえば以前
松本人志の<グレートジャーニー>という番組で
現代のイヌイットの生活ぶりを観たことがある
かなり文明を受け入れているとはいえ
その生活ぶりは驚くべきものだった、、、

本編では彼らの興味深い暮らしぶりが映し出される
イヌゾリとカヤックを移動手段とし
移動しながら生活している

氷の仮設住宅イグルーを1時間で建て
極寒を凌ぐ

北極熊の毛皮などにくるまって寝るが
その下は裸だ

時に人なつっこい彼らがユーモラスであったりするが
映画の全編のほとんどは過酷だ、厳しい現実
観ていて胸が苦しくなるほどだ

実際
主人公のナヌークは撮影の2年後に餓死していたらしい
今よりも豊富であっただろう100年前でも
獲物を仕留めるのは楽なことではなかったのだ

セイウチ、アザラシやキツネ、シャケが
彼らの食料であり衣類や道具であり商品である
獲物の全身すべて余すことなく利用される

これを観ていると
つくづく弱肉強食だなと思ふ
それは動物たちに対する人間だけでなく
人間や犬たちに対する自然の厳しさでもある

とくに野性の狼に近い犬たち
犬たちを観ていると可哀想になるし
ラストはその犬たちの氷と吹雪に襲われながら必死に生きる姿
無声映画であるのに、映し出される犬たちの悲痛な叫びが耳に届いた、、、

これは、この映画は、
映画狂を自任する人なら
必ず観ておくべき氷と雪に埋もれた傑作だ!

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捕まえたキツネ、可愛いけど、食べられる運命
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子犬には一応「コモ」とか「虹」とか名前がつけられている
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解体されたアザラシ
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