小津安二郎監督の
初期の作品<非常線の女>
傑作というより
小津が撮ったフィルムノワールという
この希少価値が観ておくに値する
小津が好きではないはずの移動のショットを多用したり
擦りガラスのドアの内と外を連続してみせたり
ローから煽った仰角のショット
当然陰を意識した数々のショット
およそ画を観ただけでは
「小津」と言い当てることは困難だ
女の言うセリフ(字幕)
「私たちが最初から「まとも」だったら、きっと幸福になっていただろうに」
まったくベタで
ヤクザ(といってもギャング系)の男とその愛人が
ヤクザな世界から足を洗おうとするまでの物語
逃げるための資金を稼ぎに
勤める会社に強盗に押し入る女
ホールドアップ!
警察に追われる身になったのに
そのまま逃げず
一旦部屋に戻るというツッコミ入れたくなるような展開だが
そこから逃走し、ラストを迎える一連のシークエンスはいい
ま
小津って、こういうのも好きなんだね
むしろ
こういう路線で行っても面白かったのではないかと思わせる
カッコいい画の数々に
ニヤリとしながら鑑賞する作品
ちなみに
Youtubeで鑑賞可能だから
チラっと覗いてみるのも良いかも、、、