次男が
新藤兼人の<裸の島>を観たという
どうせ「退屈だった」と言うだろう
ボクがその歳なら絶対に「退屈だった」と言うからだ
この素晴らしい映画を
十代の、たった4、5年しか映画を観ていない子が
理解できるはずがないと思ったのだ
ところが次男は興奮して
「すごい映画だった!真の映画だった!」と、
セリフのない映画
脚本の神様・新藤が
脚本家の命であるはずのセリフを排除した恐るべき作品
たった1か月
たった500万円で制作された地味な映画は、
画と画の並べ方
それで総て、映画としての表現となる、大傑作
これこそ、モーションピクチャー!
美しい瀬戸内の海に浮かぶ起伏の激しい小さな島
そこで自給自足の生活をする、ある家族
櫓をこぎ他の島まで行って水を汲み
ふたたび櫓をこぎ小島に戻り
急で険しい山を登り
やっとの思いで痩せた土地に水を撒く
貧しく、過酷で、厳しい生活
妻が誤って水をこぼすと
夫は無言で容赦なく妻を平手打ちする
なぜ、これほどの現実を己に与えるのか!
胸が苦しい、、、
殿山と乙羽は、演技を超えている
この映画は、映画を観る人の眼力を試す
おそらく多くの人が「退屈」と感じるだろう
しかし
それは真の映画の真価を
まだ理解できていないということ
自分自身を試す、試金石になる作品
寝たら、負け、、、(笑